人が人であるために果たして記憶は必要なのだろうか。

ひどい時には一日のうちに何度もリセットしてしまう記憶。
頼れるものは自身が書き残してきたメモ書きだけ。

かつての友を、頼れるはずの仲間を、そして自分自身でさえも信じきることのできない孤独。

何も望まない勇者は、けれどもその力故、様々な者の思惑により舞台へと昇らされる。

はたして彼の忘れた過去には何があったのか?




忘れられた記憶という明確な謎を前に、読者は練りこまれた異世界へと惹きこまれていきます。
自分とは何か、読むものに問いかける一作。おすすめです。

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