僕を殺したいと彼女と彼女は言った

「殺したいってほど憎む気持ちと、相手と一つになりたいって愛情は、どこか似ているよね」

とノノは言った。
僕にはさっぱり理解できない感情だったけれど、愛とか恋とかを気安く語る連中よりも、ノノの言い分の方がいくらか同意できるのは確かだった。

超特異存命体質、略して『超特』を持つ僕は、切ろうが煮ろうが焼こうが決して死ぬことはない、不死身の身体である。
そこで、一つ気掛かりなことがあった。
この体質がなくなったとしたら、ノノはこれまで通り、僕を殺したいほど愛してくれるだろうか。
普段通り、この身に流れる血を求めてくれるだろうか。
それだけが、今夜の夕食のレシピ程度には気掛かりだ。
などと考えながら、今日も僕は彼女に血を献上するのでした。
ちゃんちゃん。

あっ、そうそう。全然関係ないんだけど、病…続きを読む