めでたい席の「乾杯」は知っていたが、「献杯」の意味を知ったのは少し大きくなってからでした。確かに子供は20歳まで、どちらも厳禁ですね。 この作品は夏の香りを連れてくる。懐かしさと、わずかに胸に残る悲しさと共に。だから今日も「夏杯」を楽しもう。 この作品を、「夏杯」のように楽しもう。
オンラインゲームで知り合った顔も知らない友人を偲んでお酒を飲む、というお話。言葉の一つ一つが詩的で美しく、作者さんのご友人への想いがあふれ出てくるような文章でした。実際に会ったこともない友人のために、毎年、彼の好きだったウイスキーで献杯をする。本当に素晴らしいことだと思います。作者さんとご友人の間には、たとえネット越しだとしても確かな絆が存在したのでしょうね。読んでいて、自分も作中で出てくるようなウイスキーを飲んでみたくなりました。作者さんの人柄の良さが表れたこの作品。ぜひ、実際に読んでみてください!
いつか一緒に美味い酒を飲もうと、約束した友。その果たされなかった約束を思い、彼を想い。主人公は一人、杯を交わす。人を想うということは、どういうことなのか。脳裏に浮かぶ蝉の声を聞きながら、そんなことを深く考えさせられた作品でした。それは決して悲しい行為ではなく。楽しみでも、あるのでしょう。そんな楽しみ方のできる酒も、悪くはないな。そんなことを、思いました。
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