なんか地雷を踏んじゃったので

闇谷 紅

第1話と言う訳で

 昔々……ってほどでもなくごく最近、何か面白い話はないかと小説ランキングを見ていたひとりの男が居りました。

「あ、これって良さそうかも」

 ランキングでは上位、キャッチフレーズも世界観も男の好みだったため、男はさっそく読み始めてみます。

「っ、なんだよこれ……」

 ただ、数話読んで男は後悔しました。男の嫌いな展開が不意打ちのように始まったのです。

「読まなきゃよかった」

 後悔先に立たず。ですが嫌な記憶程残るもの。せめて履歴から地雷小説を消そうと思いましたが、その機能がありません。

「おいおい、どうすればいいんだよ……忘れたころに『この小説なんだっけ?』ってやって追加ダメージとか嫌なんだよ」

 親の仇か何かのように履歴をにらんでも、どこかで聞いたような滅びの呪文を唱えても意味はありません。

「そうだ、だったら自前で履歴を押し流しちゃうような作品を量産してそれで埋めちゃえばいいんじゃね?」

 男はよい思い付きのように思えて、さっそく実行してみました。その第一作がこのお話なのです。


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なんか地雷を踏んじゃったので 闇谷 紅 @yamitanikou

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