第30話 無題
「押忍、入ります」
僕は文芸部のドアを開けた。
部室に眼鏡をかけた女子生徒が1人ぽつんといて本を読んでいた。
彼女は本から目を上げた。
「……何しに来たの?……鈴木佐君」
彼女は怪訝な表情で言った。
「えっと……火影さんにお聞きしたいことがありまして」
「今忙しいんだけど」
「えっ……」
「本を読んでるの」
「う……」
「少しだけなら話を聞くわ。何?」
「ありがとうございます」
僕は椅子に腰掛けて火影と向き合った。
「何?」
火影は僕をじっと見た。
「それはですね……。人間についてです」
「人間か。色々ね」
火影は窓の外を見た。
「ただ私が言えることは……あなたが考えてることと他の人が考えることは必ずしも同じではないということかしら」
「そうですか」
続く。
特に何もないが 御崎 @ryuichi12345
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