いわゆる昨今流行りの「飯テロ」物、あるいは食堂を舞台にしたグルメ物でした。しかしそれだけでなく、人間のほとんど出ない『動物達』が主役である点で個性が発揮されていました。更に更に加えて、『お酒』という要素があって唯一無二の物語となっていました。
作品のそうした構成が面白いだけでなく、映像も音声もないままに飯テロを成し遂げる文章技法と知識量も素晴らしかったです。読んでいるとお腹が減って、呑めないくせにお酒も欲しくなる。そう思わせる作品は間違いなく良作です。
一話完結形式で読みやすく、ほっこり心温まる作品でした。今後も、出てくる『ケモノ』と『食事』が上手くリンクしたお話を紡いで欲しいです。