作者が書き続けている「七」と「幸福」をテーマにした作品群の中編小説。小生はこれまで「七時間派」だったが、今日から「七か月派」だ。 重いテーマのはずなのに、作者の手腕にかかると胸が熱くなる感動作に変貌する。そして何より作者の表現手法は、読みやすい。 これからも書き続けていってほしい、と思わずにはいられない。
子供を失った夫婦が、希望を取り戻すまでの物語。もう子供は望めず、生活面にも不安はありますが、きっとこの二人なら乗り越えていける。そんな前向きな未来を描ける温かい結末でした。
ある夫婦の七か月の物語。希望と絶望を経て――過去ふたりを結びつけた小説が、今度は夫婦を救うことになる。夫と妻、ふたりがお互いを心から愛し合っているからこそ物語は完成するのだ。優しい気持ちになれる、心温まる短編です。