種々、切り取られた『くろがね』

 これは個人的偏見を大いに含んでいるとは思いますが、ロボット物というのはアニメであればカッコいい戦闘シーン、心惹かれる機体達に目がいきがちになると思います。
 ただ、機体に人間が搭乗している限り、機体の戦いは同時に人間の戦いであり、人間のドラマも同様に胸が熱くなる部分だと思います。
 血、鉄、砂に縁どられた戦場と「巨人」を中心として、国、部隊、あるいは個人による種々様々な視点から切り取られた世界は、読者に密度の濃い物語を提示してくれます。
 本腰を入れて読みたい作品ですね。

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