第9話 ダイナミックレベル上げ

パソコンを作ったはいいが、電力が供給されないことに気付く今日この頃である。

この世界では、俺たちがいた世界のことを外界と呼んでいるらしい。


「それで、外界で多くの信仰を集めたものがこの世界で神や神霊、小さいものでは妖精として顕現する」


らしい。トミー曰くかの有名なイエス〇リストや釈〇しゃか、果てには自動車ですらがこの世界に何らかの力を持っているらしい。

人間で有名なのはアルベルト〇インシュタイン。

彼は多くの功績を残し、のちの人類史を発展させたとしてその御霊がこの世界に招かれたらしい。


というかなぜこの話になったのかは数時間前にさかのぼる。



「おい、あれはなんだ?」

「あれは妖精だな。しかも外界のものらしい。何の妖精だろうか?」


俺は見覚えがある気がしてじっと凝視する。


「ん?この音楽はまさか、、まさかな?」


はは。まさか、まさか異世界に来て……


「ラブ〇イブ!?」


どうやらラブラ〇ブは一二年という短い時間で多くの信仰を集めたらしい。いや、社会に変化を与えたのか?


______________________________________


「しかしお前があの妖精を知ってるとはな。私もまだまだ無知なものよ」


あの妖精は、人心を掌握する妖精として一部で有名らしい。


「だが、まさかこんなところでであうなんてな」


案外世界は狭いようだ。

今日は休日ということもあり、スズ&モールスは買い物。俺たちは居残りというわけだ。


「ただいま帰りました」

「ただいま」


「どした?お前顔色悪いぞ?」

スズがなんか青い。


「あのね、それがね……」


数時間前


「いろいろ売ってるね」

「まぁ、ここは人とモノの流れがすごいですから」


そこにはありとあらゆるものが売っていた。


「服でも見てみましょうか?」

「そうしましょう」


~服屋~


「この服なんかいいんじゃない?似合うと思うけど?」

「いえ、デザインはいいんですが、生地が嫌ですね。これなんかどうでしょう?」


「すごくいいよ!……」


9600000グラン


「は?」

「これは竜の鬣から作っていて手触りが抜群なんです」


と嬉しそうに笑っている。


手持ちの九十六倍だと!?


「あのー、残念だけど、手持ちが」

「あ、いいんです!私、自分で買い物してみたかったんです!」


すると、


「これで。」

「は、はい。」


どうやらクレジットカードのようだ。


「あのぉ、よろしければ何か買って差し上げましょうか?」


その無垢な笑顔に、


「あ、えっと、いや、自分で買うわ」


目いっぱいの虚勢を張って返すのだった。

だって信じたくない。自分の全資産の何十倍もの買い物をロリがさらっとしているのだ。


「顔が青いですよ?」

「ん?何でもないわ」


_____________________________________


「な、なるほど。大変だったんだな」


なるほど。これはよっぽど顔の皮が厚くないと平常心は保てない。

ロリが超高額買い物をして、さらに憐みの目を向けられたのだ

しばらくは


「しばらくはレベル上げに専念しよう。」

「さんせー」



~~~~~~~~~~~~~~~~~


というわけでレベル上げをしようということになったのだが……


「やはり、ここは簡単なやつを」

「いえ、簡単だとあまり経験を落としません。なのでこの亜竜を倒しましょう!」


頭の中が相当残念なようだ

いや、だって俺まだ5レべだぞ?チュートリアルも終わってないぞ


「ま、まぁ、俺はゴブリン希望」

「「え?」」


いや、なんでトミーまで?


「私は賛成ですが、トミーさんは?」


「ほ、本人がやる気だから、いいんじゃないか?」


え?ゴブリンだよな?


「久しぶりにやる気がわきますね!」


ん?ゴブリン狩りってやる気出るもんでしたっけ?


_____________________________________


「ぐぎゃあああああああああああああああ」

「え?ちょ、待……」

「よそ見している場合ではありません!しっかり相手を見てください。死にますよ!!」


そこには体長が優に5メートルを超えるゴブリンの群れが……


「ブレスが来るぞ!」


あ、死んだわ


「ウザったらしいです!」


モールスが剣で一閃。するとブレスは発生した竜巻にまかれて消える。


「今です!とどめを」


そこには、瀕死のゴブリンが横たわっている。


「ええええええい!」


ぺち。


「ごばぁ」


腹を殴られた。痛い。痛い痛い痛い


「スズは回復を!私がやる!」

「りょ、了解!」


すぐさまスズが寄ってきてヒールをかける。

痛みが引いていく。痛かったなぁー

というか、俺の持ってるナイフじゃ倒せない。


「終わったか」

「はい、冒険者カードを確認してください」


あの和装ロリは化け物らしい。


「熱っつ!カードが熱い」


激熱だ。


「え?バグってない?」


そこには


レベル 75

スキルポイント250


とある。


「そんなものだろう。一気に七十上がるくらいが妥当だ。」


ゴブリン何者!?


「輝、動いちゃダメ。吐血がひどいんだから」


ああ、そういえば人生初の吐血経験だったわ


さて、ギルドに報告しますか。

そう、俺は一応リーダーなのだ。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

高校生根暗オタクが異世界に召喚されました かに @waido

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ