第27話 マジックアワードリーム

変な夢・・・ていうか相変わらずテンション高いな羽音さん・・・。

何を渡してくれたんだろう・・・。

ん・・・?

ていうか、私・・・消えてない・・・・?いきてる・・?





結論から言うと、私は生きていた。

目を覚ました時には、病院のベッドで寝ていた。

ただ、浦島太郎のような気持ち味わう事になった。


事情を聴くと、私はある日、部屋を見ていると寝ていて、いつまでたっても起きずにいて、病院に運ばれたようである。

それから約2年寝ていた。ほぼ植物状態であったようだ。


私が起きたときには、いつも厳しかった母や父が泣いてしがみついてきていた。

寝る前まで・・ずっと欲しかった、親のぬくもりである。

私は、よくわからず、ただ泣いていた。

親のぬくもりが嬉しかったのか、それとも戻れた喜びなのか。


それから、私はいままで寝ていたため、体がうごかずリハビリに励んでいた。

父は母は、前より優しくなった。前なら、もっとがんばれと言われそうだと思う事も

「・・ゆっくりがんばれ」と言ってくれている。

なんだが、こそばゆいのと、少し複雑である。


私は生きて帰ってこれた、だから元気になればなるほどあの二人が気になっていた。

あの二人は生きて帰ってこれただろうか・・・。

私は、母親に透子の事を話した。そうすると、下を向いてしまった。


嫌な予感がした。母は話そうとしないが、私がしつこく聞くと、はなしてくれた。


「・・・・詳しくは知らないわ。ただ、あの家に今は誰もすんでないとだけしか私はしらないわ・・噂だと、あの家の誰かが捕まったとかは聞いたけど・・・」


私は、そう・・・とだけ母に伝えた。母はバツが悪そうな、申し訳ないような顔をしていた。

でも、それでももう一人守君の事も、聞いてみた、すると


「ああ、あのこ・・・あの子はあなたが休んでからも来てくれてたわ・・・でもね、

あの子は転校してしまったのよ・・あなたが寝ている間に・・」


「えっ・・・」


「どこに行ったかは、急すぎて、聞けなかったわ」


「そう・・・・」


その話をして、数か月がたち、私もほぼ完全とはいえないけど少しづつ動けるようになっていた。

その間、私は母にたのみ、二人の消息を探して欲しいと頼んで、守君の所在地は分かったのだが、透子っちのは分からないままだった。


もう少し、元気になれば、私は守君を探しに行こうと考えていた。

会いに行かなくては。


そう思っていた、ある日、夕方にうすぐらくなる手前に何かが光った。

光の先は私の枕元にいつも、なんとなくおいていた、この四角い箱らしくものが光っていた。


「・・・・これは・・・」


羽音さんからもらった、箱。いままでなにがなんだか知らなかったけど、ただ、今それは光って、その光はドアの方を向いていた。

私はそれをもち、病室をでた。


矢印をみながら、正直病室出たら、なにか言われると思っていたが、ちょうどかたまたまなのか、私は、見つかる前に病院を抜け出せた。


「・・・ラッキー・・・」


多分、もしかしてまた夢を見ているだけかもしれないそう思いつつ、いまだふらふらな体を、松葉づえを使い、歩いていく。

随分歩き、もう体もに限界がきていて、電柱に座って休憩していた。


「・・・やばい・・もう動けないよ・・」


さらに薄暗くなってきて、まわりに人もいない、やっぱり戻るべきかなと思った時に、ふと、

進んでいた方向から、人影がみえる。


その人影を見て、私は、すぐわかった。


私は、体を起こして、その人影に近寄る。


「久しぶりだね。」


「遅くなってごめんやで」


「・・・ノートあったんだ・・?」


「・・・あったというか、もろた」


「え?」


「手がかりそれしかなくてな。


俺、転校してからゆまちゃんに会いに行こうとしてたんよ。

でも、オカンはあまり俺がゆまちゃん家に行くのを嫌がっててな、だから、休み利用して、こっち来たりしてたけど、だれも・・ゆまちゃんの家教えてくれんくてな、だから必死に探してた。

今日も、探しに来てて・・そん時に、なんかでぶいスーツきたおっさんが渡してくれたのが、このノートや」


「・・・スーツ着たおっさん・・・それって・・」


「やろなぁ、ノート触った瞬間びりっとして色々入ってきたわ。

多分、あれ、あのサンタか夢食いやったけ?どっちかちゃう?」


「もう・・本当に優しすぎるね、あの獏は」


「確かに、イケメンすぎるで。」


「でも、記憶戻っただけじゃあ、私の居場所なんて分からないんじゃあ・・・」


「ああ、このノートの残留思念やったけ、このノートはずっとほぼゆまちゃんと一緒に居たからか、ゆまちゃんと心でつながっているというかなんとなくやけど居場所が分かるみたいやで」


「・・・・いやいや、そんな超常現象な」


「まあ、残留思念がゆまちゃんについてくぐらいやで?やりかねん、むしろ怨念?」


「え、それは勘弁ねがいたい所だね」


「まあ、うっすらわかる程度やで、だから、もうめっちゃ歩きまわったわ!」


「・・・ありがとう、見つけてくれて」


「約束したからな!さあ、それともう一人迎えにいかなあかん」


「うん、そうだね」


「透子ちゃんに関しては、調べてはきたけどな、情報がないねん、だからなせっかく会えたねんけど・・俺はもっと探しにいこうと思ってる。

でも、ゆまちゃんは、今も見てる限り、動ける体やないやろ?

だから、俺だけ行くから、ゆまちゃんは体を休めて、お母さんやお父さんの所に戻っておき」


「だが断る」


「なんでやねん!」


「私なら、わかるよ。透子ちゃんの場所」


「ええっ!?」


「この箱が、今度は違う方向示してるから、多分いる」


「その箱はなんなん?」


「ゆまと羽音さんの贈り物」


「まじでっ!あのテンション高い何者やねん」


「さあ?でもこれはさっき守君の居場所まで連れてってくれたの、だからきっと透子ちゃんにも会えるよ」


「・・・ここ、現実やんな?」


「そうだよ?何いってるの?まあ、あり得ない事かもしれない。

でも、私は今生きててそして、守君に会えたことの方が奇跡で魔法のだもの」


「・・・せやなっ!」


それから、私たちは箱の示す場所までいく事にした。

透子ちゃんがいると思われる場所は、かなり遠く、私は当たり前だがお金はないので、守君がお年玉やお小遣いを貯めていたらしく、それで私たちはある病院についた。

着くころには守君に会えた時間と似たような時間、もう夕方近くになっていた。


「ここか・・・」


「そうだね、ここまでありがとう」


「それいうなら、透子ちゃんに会えてからやな!」


「そうだね」


「さて・・・病室入らせてもらえるやろか・・・」


「ううん・・・私と同じ状態のままなら、もう起きて歩けるはずだし、入らせてもらえそうだけど・・・聞いてみて貰っても良いかな?・・私が聞くとややこしくなりそうだし」


「そうか?まあ、とりあえず聞いてくるわ」


「おねがいね」


守君が聞きに言ってくれてる間、私はエントランスで座っていた。

、光る箱はこの病院につくと、消えていた。

だから、病院のどこかに・・・あれ・・・?

私はふと、目の端に見覚えのある女の子がみかけて、振り返った。

でも、そこには誰も居ない。


・・・透子・・・っち・・・?


あれは・・透子っちだよね・・!


「おまたせやで!朗報や!この病院にいるて!今は、散歩中らしい、でも面会時間もあまりないから、急がなあかんみたいや!」


・・・あれは、やっぱり透子っちだったんだ!


「いこ!」


生きてた・・・生きてたよ・・・!


私は泣きそうになりながらも、松葉づえを使い、透子っちがいる病室へ向かう。


着いた、病室では、場所を案内されたが、まだいなかった。

少し待たせてもらう事にした。


そして・・・


ちょうど、それは外がピンク色から黄金色に変わったその時


入り口から、車いすで女の子が入ってきた。


私達をみて、その子も私達も目が熱く、頬に冷たいのが流れていて、もうそれよりも


私たちはその子に向かって走っていた。


透子っち!透子ちゃん!


「「おかえりっ!待たせてごめん!」」


             ~終わり~

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マジックアワードリーム ちえ汰 @tieta

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