いや、ゾンビなんだから、腐る、が正しいのか。
もう、何も考えずに読みたい!
いや、何も考えたくない、ほのぼのしたい!
これは、ま○んがタ○ムき○ら的な、頭を空っぽにしてぴょんぴょんストーリーを詰め込む類の作品性と言えよう。
………
……
…
あ、本当に何も考えずに読んじゃった。
れ、レビューを書かなきゃ。
この作品の妙は、ゾンビもの、と捉えたときのズレではないだろうか。
死とは穢れであり忌避すべきものである。
アンデッドモンスターというのは、容姿のおぞましさや、攻撃への耐性やらで、とかく厄介な相手である。
が。
この作品では、ゾンビと戦うことはない。
和気藹々と共同生活を送る、このズレだ。
言うなれば、思いついたもん勝ちのようなふわふわ感は、ゾンビ=パニックムービー的なイメージを破壊というか、いや、何か、こう、包み込む? ような?(笑)
題材と設定と作者様の勝利と言えよう。
ゾンビものというのは、最終的に、人と人との対決に行き着くものでもあるが、やはりその辺りも外せない。
この共同生活と、世界の思惑は余りにズレている。
生と死が入り乱れ、その垣根は失われた。
行き着く先の、生きつく先に何が待っているのか……まぁ、ゾンビだから死んでるわけだが。
とにかく、その生と死に、幸多かれと願うばかりである。
ゾンビに支配され、「法月プラン」が実施されることになった。
果たして人類は再繁栄することができるのか!
手に汗を握る、究極のパニックホラーがここに幕を開ける。
と、思いきや……のんびりまったりの、ノホホン物語です。
ゾンビが、あのオドロオドロしいゾンビが、どうしてこうなった?
怪作「キンキョウノォト」なるホラーを描いた著者が、まったく新しいゾンビ物語を創造してしまいました。
いいの? いいのです!
こうなったら、もう何でもありなんです。だって、面白いから。
あの人気若手女優に、強烈なインパクトの怪優までもがゾンビにされちゃってます。
お約束のショッピングモールが、もう遊園地ですからね。
誰もが想像しえなかったゾンビ物の新境地。
この物語で、日頃の疲れを癒したください。