見たことのない形式で進んでいく物語。先の展開がどうなるかも全くわからず、その斬新な世界観にひきづりこまれていきました。全体的に寂しげな語りで進んでいく中、人間や社会、世界というものについて深く考えさせられます。中村文則さんが好きなので、なんとなく作風が似ている気がして良かったです。
書かれていることが少し難しいと感じたけれど、面白いと思ったので一票。エピソードによって文体が異なっていて、それがいいアクセントになっている。前半の平仮名部分と小難しいところには苦手意識を持つかもしれないが、後半部分に繋がるので、辛抱強く読み進めてほしい。中盤から出てくる女の子の平仮名部分は、内容とのギャップでむしろ魅力的に思えてくる。