主人公は、ヒーローを演じるヒーローならざると己を認識する存在。だけど、だからこそ必死、だからこそタフ、だからこそ謙虚、だからこそ目指し、だからこそ足掻く。極めて魅力的な主人公、素晴らしい『ヒーロー』だと思います。
ある事情から、正義のヒーロー「ゴールデンオーガ」の影武者をやらねばならない川瀬秀治。彼は自らを「ヒーローの器ではない」と断じ、あくまで「本物」の代替品に徹しようとする。 だが。完璧なヒーローを完璧に演じ切るということは――完璧なヒーローそのものになるに等しい。 ――果たして彼は、「影武者」なのか。本物を超えた、「ヒーロー」なのか。
ヒーロー大戦という名目で出されたこの作品の主人公は、タイトル通りのヒーローと思いきや、その名前を演じるニュータントである。しかし、文章からでも伝わる闘いへの意気込みとその力強さは、誰もがあなたこそヒーローと思うだろう。黄金との魂を持ちて、闘っていけ!
影武者を演じてるけども、周りにとってはそれが本物であり真実である例え、ごく一部にとっては嘘であったとしても
画面越しに伝わる文の圧力と速度が、戦闘描写の随所に乗っていてとてもスカッとします。勝利の余韻と次への引きへの推移もよくとても先を引く導入でした。マッドなおじさんもキワモノと称してしまうほど頭がイッてないというか、ほどよく好印象を覚える程度に希釈されているのが細やかだけどもイイ。こういう人格の扱い方にもう作者様の実力が集約されているように思えました。神は細部に宿るとはよく言ったものです。
ヒーローの影武者と言う設定の主人公。だが、その行為と気持ちは決して偽者ではない。・・・・・・黄金の魂を持つ主人公に栄光あれ。