題名なしのメールたち

恋音(れおん)

第1話 伝えられないラブレター

 私はとある商業校に通う女子高生。藍原 由乃。みんなからは“藍ちゃん”と呼ばれている。来年は3年生になるから、進学か就職かを問われる時期に今立っている。周りの大人たちは口をそろえて「進路のための準備をしなさい。進路のために問題行動をしないように。進路のために勉強をして成績を上げなさい」と。みんなみんな『進路のために』って。おもしろくない。そんなつまらない学校生活にも一つの光があった。それは好きな人が同じ学校にいるということ。相手とは普通に仲が良くて、たわいもない話をよくする。それだけでもとっても幸せだった。だけど。この気持ちは伝えることは叶わない。


だって、それは「先生」に恋をしてしまったから。

先生と生徒。年の差がどうこう以前の問題で、この関係はとっても厄介だ。成就させようと思えば『法律』が邪魔をする。かといって、気持ちだけを伝えるにしても『先生という職業』が答えを出すことする邪魔をする。どうして好きになったのか。それは…それは…?


「先生のドSな性格が好きだから!!!!!!!」←心の中で叫んでます

まぁ普通に話聞いてもらえたこともめっちゃ好印象だった。悩み事を抱えると心配をしてくれて、たまにふざけて遊んだりもした。真剣に私の話を聞くその姿もまた、惚れたところなのかもしれない。でも、一つの大きな悩みがある。「先生という仕事なんだから、悩みを聞いてやるのは当たり前だろ」と言われたら、何とも言えない。てか、確かにそうだなって納得してしまう。この伝えられない思いをどうしたらいいのだろうか。


To be continued...

 

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