作者の持ち味である強烈なキャラクター設定。それが今回はサンタその人でした。さらに彼のパートナーであり世話係のトナカイ、天空に住む神様たち、みんながいい味を出しています。
ですが今回の物語、この強烈キャラクターたちが紡ぎだすのは心温まる奇跡の物語。ハチャメチャな天界のようすと、雪のような静かな下界、その二つの世界を舞台に何とも味のある物語となっています。
とにかく読みやすい文章と、リズムのいいストーリー運び、このレビューを読んでるより本文を読んだ方が早いと思います。ただし、涙をぬぐうハンカチを用意してからにしてください…笑っても泣いても役に立つはず。
紹介文の独特な口調、一体誰のものだろう?とワクワクしながら本編を開くと…。
なんと、語り主はクリスマスの準備をしているトナカイのトナちゃん!
酒呑みの親っさんに手を焼きながらも、クリスマスの準備やら家のことやらで甲斐甲斐しく働くトナちゃんが健気です。
それにしても、このコンビが暮らす天界はなんとも下町チック。
神様もみんな個性的な神ばかり。この辺りの雰囲気が作者様独特のユニークさで楽しく彩られています。
奔放すぎる親っさんとトナちゃんの仕事に、読む側もついつい少々不安を覚えてしまうのですが…
最後にはこの名コンビに「ブラボー!!」と賞賛を送らずにはいられなくなります。
一体どんなクリスマスが繰り広げられるのか、皆さんも素敵なお話をどうぞ存分にお楽しみください♪