第17話 開かれた世界
刀を構えたエクナは風のような速さで岩へ突進した。
上段へ構えていた刀は腰まで下ろされ、
真っ直ぐと穴を捉えていた。
「はああああああっ!」
ドンッ!
刀とエクナが岩と激突する。
凄まじい音。
エクナの手は剣から離れ、体と共に地面へ倒れた。
砂煙が晴れた後エクナは地に倒れたままだった。
「姉さん!」
「エクナ!」
凄まじい衝撃波はエクナに高い疲労を与える。
地面に腰をついたエクナを見届けるように刀は柄の部分から真っ二つに折れてしまった。
「・・・斬るしかないな。」
冷たい声と共に刀はエクナの首元に
当てられた。
剣の先端は今にも首を貫きそうである。
それにも動じないエクナ。
よくみると微かに震えている・・・
泣いているのか? 麗華が顔を覗き込む。
しかしエクナは予想を反し笑っていた。
「何が可笑しい!」
「・・・逝け」
ッ!
つんざく様な轟音 二人を再び包んだ砂煙は風の流れに任せて少しずつ晴れてゆく。
そして同時に、金属が地面に落ちる音。
二人の足元に折れた刀の先が現れた。
ーーーー岩は崩れたのだ。
「バカな!?刃は折れたはず!?」
「言ったでしょ?"覚悟は出来ている" と」
エクナは微笑みながら手を差し出した。
麗華はその手に被さるようにゆっくり握手した。
「・・・で、できれば・・・引っ張ってくれない?腰が・・」
「・・・ふふっ。いいですか?せーのっ!」
なんとか立ち上がったエクナはお礼を告げた後、麗華の手を引きながら屋敷へと戻っていった
A∩B ~運命編~ @amane_killa
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