みんなでバードウォチングをやろう!
藤堂 和弘
第1話
今回は、相模原での自然遊びを、ご紹介させていただきます。
実は私、30年来のバードウォッチャー(野鳥観察家:別名バーダー)で、日本全国各地の野鳥を求めて、北は北海道から南は沖縄、西表島まで旅をする渡り鳥です。(最近は年のせいかあまり行けませんが…)。フィールドは、海・山・川・湖・里山・田園地帯など様々で、季節も春夏秋冬、暑い夏の海岸や、寒い雪の中でも出没します。時間帯は早朝がおすすめですが、夜のツバメのねぐらいり観察会なんかもあります。国内で観察した野鳥は約300種ぐらいでしょうか?
現在の住まいは、実家からほど近い、境川のすぐ近くにあります。この地を住まいに選んだのは、私の大好きな「カワセミ」が必ず毎日観られるからです。この鳥は、私が野鳥の世界にのめり込むきっかけとなった鳥です。一番最初にこの鳥と出会ったのは、茅ケ崎市柳島にある下水処理施設の排水路であったことを今でもはっきりと憶えています。体長約17cm、嘴の根元から胸側にかけての翼や尾は「エメラルドグリーン」で、お腹は橙色、雄の長い嘴は上下ともに黒く、雌の下嘴は口紅を塗った様な橙色をしていて、体形は頭でっかちでアンバランスで愛くるしい印象ですが、一番の特徴は、「コバルトブルー」に光り輝く背中です。なぜこのような綺麗な鳥がここにいるのか?不思議でした。調べると生息地は日本を含む東南アジア地域で周年観られることが分かり、納得しました。確かにシンガポールで観た「ナンヨウショウビン(『ショウビン』は、『カワセミ』の仲間を指す)」や、「アオショウビン」も鮮やかな体色で、周囲の風景が派手なので、保護色になり、違和感は全くありませんでした。「カワセミ」は漢字で「翡翠」と書きます。宝石のヒスイの名は「カワセミ」の美しさから名付けたそうです。
「カワセミ」に魅了された私は彼を探しに市内の鳩川、姥川、道志川、お隣、愛川町の中津川、八菅山いこいの森、反対隣の町田市立薬師池公園、忠生公園、多摩川その他、県内外各地を歩いたものですが、野鳥も逞しいもので、最近では普通に観られる鳥となりました。(因みにお隣町田の市の鳥は「カワセミ」です。)公共下水道の普及により、河川がきれいになったおかげか、餌となる小魚が一般河川にまで増えたせいかは分かりませんが、バードウォッチャーにとっては、大歓迎なことです。
それでは、皆さんも「カワセミ」探しに出かけてみましょう!皆さんの近所で水辺があり、餌の小魚がいて、巣穴を掘る土壌があれば、出会える確率は高くなります。声は「ツィー」と鳴きながら一直線に水面を飛んでいく鳥(その様を「青い稲妻」と呼んでいます)がいたら、それは「カワセミ」です。餌を捕らえるため、停空飛翔(ホバリング)した後、一気に川の中の魚めがけてダイビングするのも特徴です。求愛期には雄が捕まえた魚を雌に渡すラブラブなシーンも観られます。
探す目印は超望遠レンズを付けたカメラを持った人たちです。その近くには必ず「カワセミ」はいます。それは彼らにとっても「カワセミ」は魅力的な被写体だからです。それと水辺で白いペンキの跡のようなものを見つけたら、それは「カワセミ」の糞です。なお、皆さんに探す時の注意点ですが、「フラッシュ撮影」や「カワセミ」が嫌がるような行為はしないでください。彼らの生活に影響を与えることのないよう優しい眼で見守ってあげてくださいね。餌を撒いたり、ゴミを捨てていく人がたまにいますが、それは自然に対してマナー違反です。人と動物がともに末永く暮らせる環境をいつまでも続けていきたいものです。
今回は「カワセミ」だけの紹介で終わってしまいましたが、相模原市内には多くの探鳥地(野鳥を観察できる場所)がたくさんあります。相模川昭和橋、磯部頭首工、高田橋、相模川自然の村、小倉橋、道保川公園、県立相模原公園、市立相模原麻溝公園、相模原沈殿池、こもれびの森、市立相模原北公園、県立津久井湖城山公園、城山湖、宮が瀬湖周辺などの場所であれば、季節にも拠りますが、20~30種類くらいは普通に観られますし、ビジターセンターがある公園などにはその季節に観られる野鳥の情報も入手できるので活用してみてはいかがでしょうか?街中でもよく探せば10種類くらいの野鳥は観られます。35~50種類くらい観られる場所も前述の場所には含まれています。以上紹介したスポットはいずれも平坦で、散歩ついでに行けるところばかりです。少し足腰に自信がある方は、陣馬山(標高855m)や石老山(標高694m)などもおすすめです。
普段の生活で川沿いに散歩やジョギングをされる方は多いかと思いますが、是非、野鳥観察も併せて行うと歩くのもさらに楽しいものとなるでしょう。今回は「カワセミ」のお話しをさせていただきましたが、この他にも、「オオルリ」「キビタキ」「サンコウチョウ」といった容姿も綺麗で美声な珍しい野鳥も相模原市内には生息しています。今度初夏のころ、近くの森を散歩するときに、素晴らしい音色が森の奥から聴こえてきたら、それは彼らの声かもしれませんよ。
観つけるには双眼鏡が必要になります。「フィールドスコープ(望遠鏡)」は経験上、森の中では遠くが森の木々や葉っぱで見通すことが出来ないので、あまり役に立ちません。広い湖や河川、田園地帯、里山、街中では望遠鏡がベストアイテムです。木々や水があるところならどこでもOKです。森や林でなくとも街路樹程度の緑で大丈夫です。
きっと今まで気が付かなかった世界が観えてくるはずですから。
そして、身近に綺麗で美しい生き物たちが住んでいることが分かれば、その場所が愛おしく思え、いかに大切にしていかねばならないかを知ることになると思います。この地球は、人間だけの物ではなく、あらゆる動植物のためのものであることをきっと!
みんなでバードウォチングをやろう! 藤堂 和弘 @harupapa
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