賑やか笑える作品です。クリスマスシーズンでなくても楽しめます。
恰好いいバイクと共に夜を駆け抜ける、そんな姿に想いを馳せて――その勢いに飲まれてしまうのが心地よい。 とにもかくにも文字の、言葉の勢いに乗って駆け抜ける彼らの声が過ぎるのを聞きながら、テンポ良く軽快に流れる文字と一緒にお話を追うのが楽しいです。 短くさっくり。喧嘩と言うにはその会話すら楽しんでいるような小気味良さを眺めるクリスマス、どうでしょうか。
クリスマスに子どもたちへプレゼントを届ける仕事...のはずが、その仕事の名前は「配達屋」で、乗って走るのはバイクの相棒。しかも主人(配達屋)はお金が大好き。とかなりパンチのきいた設定で、ハードボイルドの世界(文章ではなく)を彷彿とさせます。だけれど、ラストで主人の稼いだお金の二つの使い道は、それまでの作品や彼の雰囲気を一気に変えさせて、ほっと優しい気持ちをうみます。ギャップ萌えをたいへん上手く使われていました。最後の最後で、あ、クリスマスだ、という温かさを感じられる作品です。
序盤、心臓を震わせてたのでどういうことだろって思ってたけど、なるほどそういうことでしたか。