「カルネアデスの板」に象徴される人と世界のどうしようもない不条理さが真正面から描き出されます。ペシミズムと諦観の果ての祈るような思いが胸を締め付けます。
前半、死にゆく人からの視点で物語が進行するのが珍しくて面白いと思いました。そこから死への描写や考えが色々な方向から見てとれて面白かったです。