第5話

彗が指さしたほうに向かって歩いている。しかし、どうにも暇なのだ。

「彗。今から行く町ってどんなところですか??人がたくさんいますか?」

「…町、わかんない…要塞…けど…弱い」

そんなことを話しながら歩いてると要塞が見えるところまで到着した。要塞は石造りでとても頑丈そうである。そんなことを思いながら要塞の大分手前から見ていた時だった。手前で彗に話しかけようとした時、いきなり彗が私のことを引っ張った。

「わ、な、何?」

「馬…危なかった...あいつ...我が主を害そうとした…万死に値する!」

「ちょっ!?彗!落ち着いてください」

「あぁ!すまない二人とも大丈夫かい?」

「我が主を害そうとした 死を持って償え」

「彗!落ち着きなさい!」

舌打ちしながらも渋々従ってくれた彗はとってもかわいいと思う

「すいません、この先に見える要塞が有りますよね?それにはいるには何か資格とかいりますか?」

「本当だったらテストと紹介人が必要なんだけどね、お嬢ちゃん今何歳だい?」

「いま六歳で彗は...分からないです。

彗今何歳ですか?」

そう聞きながら私は彗が肉体年齢を答えてくれるように祈っていた。本当は聞かないつもりだったんだけどつい口から出てしまった。これは私の失態だ。

「今?...数えてないから....わからない...多分2000歳…くらい…」

「はっはっは、坊主冗談がうまいなぁ!」

いえ、多分本気で言ってますとはいえない私は弱いのだろうか?

「六歳かーそれなら入っても大丈夫だぞ

坊主はテストが必要だがな」

「おじさんありがとう!」

「俺はおじさんじゃねぇ!お兄さんだ!」

「すいません、父様と母様よりも(見た目が)年寄りに見えたのでつい…」

「お前の親はどんだけ若作りなんだよ!?」

騎士(仮)の兄ちゃんはパッと見、筋骨隆々でいかつく見えるけどいい人のようだ。けれども、頭の毛の後退が始まっているような、いないような…。М字型はげに気を付けてね!

「そんなことはどうでもよく、要塞に連れてってもらえませんか?

ちょっと二人で野宿は怖いんです」

彗からの目線が突き刺さるけど私は気にしない!違うんだ彗!誤解だ!君のことを弱いっていっているのではなくてだな、私はせめて寝るときには下に何か引きたい派なんだ!だから恨むような目で見ないでくれ!

「それはこちらも願ったりかなったりだ。こちらこそ要塞内に保護しようかと思っててだな」

「彗、要塞に行くのやだ?」

「…人間は醜い…自分と違うものを…排除しようとする…我が主が排除されたら我々は…人間を滅亡させようとする」

私が何かいう前に騎士のお兄さん(おやっさん)が

「おいおい、過激だなぁ......もしかしてお前魔族の手先か!?それだったらその美しさも納得がいく…」

「騎士のお兄さんもしかして頭に腫瘍ができて判断能力が低下でもしているんですか?それとも頭の中に入っているのは綿くずですか?」

「魔族と…一緒にするな」

「お嬢ちゃん手厳しいよ!じゃあ魔族じゃないってことでいいかな?」

異端の子ですや神の子供ですなどとはただの中二病っぽいから言わないでおいてあげよう。主に私の精神のためにだがなっ!

「もうすぐ日が暮れるのでくれる前までに要塞に行きたいのですが…だめですか?」

ここで必殺幼女の涙目だ!騎士さんは耐えられるのかな?

「うっ…本当はテストを受けなくちゃいけないが野宿は危険だから保護しよう」

幼女の涙には騎士さんも負けたようで快く要塞に招待してくださりました。

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WhiteSky 兎○ @Isagami

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