魔法の世界でブラックに(普通に)働く若者たちのお話です。魔法やら魔王やら天使やら、設定が王道のファンタジーなのに、働き方がイマドキなのが身につまされて爆笑でした。前半では名前だけの主人公たちの正体が、後半でさりげなく明かされるのも心憎い展開です。一番可笑しかったのは、魔法が一切無いという科学の発達した世界である<地球>の解説でした。ネタバレになってしまうので詳しく書けませんが、スティーブンが不憫で最高です。続きが読みたいです。
文章がすんごい読みやすかった。スラッと入ってくるし話も起伏に富んでいて一気に読める。文句なしに面白いです。
とはいってもライトなので気軽に楽しめます。不条理な社会で平凡に生活を続けるブルーカラーの労働者たち。ほどほどに頑張れ。
「善良で平凡であり続けることも、実は大変な偉業なのかもしれない」とは宮部みゆきの言ですが、いい言葉だしその通りだと思うのでよく覚えてます。セキユオー、実態を知れば後悔もあるかもしれない。でもどこで何が起こるかなんて誰にもわからないし、仕事は大事だし、友達も大事だ。いい決断だったと思うし、素晴らしく読後感が爽やかですね。いい話でした。
友達って素晴らしい!
そうだよなあ、科学で色々やらかしてるこっちってある意味魔法よりスゴイよなあ、などと妙に納得してしまった作品です。宇宙とか行ってますもんね。その点、ファンタジーなぞよりよっぽど非現実的かも。「なにそれこわい」の主人公の反応に頷いてしまいました。そしてやられたラストのどんでん返し。もう!こういう裏切り方大好きよ!みんなで幸せにおなり!1話完結なのにキャラが愛しく、かわゆく、爽やかに裏切られた作品です。いいなあ、これ。好きです。