一族の血は、絆か、それとも呪いか。

旅の女剣士アルコ・イリスが、立ち寄った国で見かけた青年。
代々、城のバルコニーから堀の魚を見つめる仕事の一族なのだという。

本作品の魅力は何と言っても、『魚のぞき』という特殊な身分。
命尽きる日まで魚を見つめ、その死後は、子や孫が継ぐ。
彼らの運命は、外部の者から見れば、理不尽です。
しかし、それを心の安定として必要とする者も、確かにいるのでしょう。

アルコの背景がしっかりしており、もしかしたらシリーズ中の一作なのかも、と感じました。
そうでないとしても、彼女が旅の途中で出会う、別のエピソードも読んでみたいと思わせます。

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