苗さんへ

読了し、苗さんの生きづらさ、そしてお母様の生きづらさ、家庭内の閉塞感を感じました。お母様とお父様との別れは、お母様のある種の潔癖さも原因の一つだったのかな、とも。複雑な人間模様の中で苗さんが個として自立していく過程がよく表現されていて、かつての自分自身を振り返るようにして読みました。

一方で、お手伝いさんのバランス感覚、猫おじさんの自由さ(トリックスター的な)で苗さんの魂が救われ、読んでいてカタルシスを感じました。
苗さんのお友達は大手出版会社にいるようですが、苗さん自身はどのように成長しているのでしょうか。苗さんのその先が読みたいと思いました。