第2回 係活動(クラスの雑用)

※追記 「係活動」についてしっかり考察・解説した文章を別にあげていますので、ぜひ。https://kakuyomu.jp/works/1177354054896836525/episodes/1177354054896879919

(上記URLか、ユーザーページから作品「学校で教えない学校教育のこと」へ)


 ユズ(以下、ユ):今回のテーマは「係活動」です。

運動会や文化祭などイベント用の係活動ではなく、クラスでの仕事の方です。クラスによって様々な「係」で何か仕事をさせられると思います。

 レモン(以下、レ):めんどくさい印象だな。

中学の時、学習係っていうので国語の先生にわざわざ明日の授業に持ってくるものは何ですかって聞きにいかなくちゃいけなくて面倒だった。前の授業終わった時に言うのに、なぜまた聞きにいかねばならない。

 ミカン(以下、ミ):小学校の時、虫の処理がうまいという理由で虫係だったことがあるよ。

 レ:…それでよかったのか?

 ミ:うん。ノリノリだったよ。

 レ:ならいいけど。


~①係活動って何だ~

 ミ:係活動ってどんなものがあったっけ?

 ユ:クラスによって色々です。代表的なものだけでも、これくらい挙げられます。

例)配布・保健・学習・図書・掲示・美化(整美・環境・整頓)・飼育(生き物)・

生活・新聞・文化・体育・音楽・レク(お楽しみ・お笑い・イベント・クイズ)・

給食・飾り・ボックス・電気・戸締り・黒板・お手伝い・雑用・落し物・花・はんこ


 レ:多いな。

 ミ:私はよく電気係やってたよー。

 レ:何する係なんだ?

 ミ:教室の電気をつけて、みんな出ていく時は電気を消す。

 レ:気づいた人がやればいいことだろ。

 ミ:いや、小学生だとそこまで気づかないかも知れないし…。まあ今思うと、無理やり役割与えた感もあるよね。

 ユ:何でもいいからやりがいや達成感を与えるというのは、係活動の大きな意味ですね。だから、その子が輝けることがあれば、ミカンさんの虫係みたいに特別な係が作られることもあります。



~②係活動と当番の違い~

 ユ:当番は学級に必要な仕事、係活動は自主的な活動だという人もいます。

 ミ:自主的って名目だから、係は変わった名前にしたりすることがあるのね。

 レ:でも実際、決まった係から自分のやる係を選ぶことが多いよな?

 ユ:はい。現実的な使い分けとしては、こんな感じですかね。


係活動-(1学期などの期間)固定された役割

当番-日替わり/週替わり


 ユ:どの仕事を係にするか当番にするかは学級担任のさじ加減です。


 レ:楽な仕事を選ぶための、ジャンケンというデスマッチ…。

 ミ:まあ、そんなところだよね。

 レ:係決める時に黒板に名前を書きにいく、あの駆け引きの時間が嫌いなんだけど。   

 ミ:駆け引き?

 レ:例えば、こんな感じの時、本当は電気がいいけど保健はしたくない。だったら今のうちに雑用にしとこうか、って悩む。


電気(1) 保健(1) 雑用(1)

レモン

ユズ

ミカン  


 ミ:…腹くくって仕事しない?

 レ:いや、不毛な駆け引きとはわかっているんだが…。学期の間、面倒な仕事をしないといけないと思うと。

 ユ:もともとやりたい係なんてないのに、選択肢与えられたら出来るだけ楽な仕事を選びたくなりますよね。


~③係活動と委員会~

 ユ:学校全体の委員会があって、それに合わせる形でクラスの係が決まるという形式も多いと思います。

 レ:中学校になると、その形式が多そうだな。

 ユ:一つ例を出します。左が学校の委員会、右がクラスでの委員と係です。この例では、委員になった人は係にはなりません。

【委員会】

 総務 → 総務委員 or 総務係

 美化 → 美化   or 美化

 図書 → 図書   or 図書

 保健 → 保健   or 保健

 学習 → 学習  or 学習

 文化 → 文化   or 文化


 ミ:総務って何?

 ユ:学校によっては、学年委員会とか言ったりしますね。総務委員がいわゆる学級委員長ポジションになります。

 レ:係活動が委員会の下請けみたいなになっているな。

 ユ:このパターンでは、係活動は学校に依存して決まります。

 ミ:係活動は、学級担任や学校によって全然違うんだね。


~④なぜ係活動が課せられるのか~

 ユ:なぜ、子どもは係活動をさせられるのでしょうか。

 ミ:学校のために必要だから?

 レ:でも、正直非効率すぎて全然学校の役に立たないことも多いよな。


 ミ:実際役に立つかより、することが大事なんじゃない。

 ユ:教育的意味ということですね。こんな感じのものが育つ、ということでしょうか。

 勤労観(社会集団の一員として働くこと)

 責任感 仕事の達成感 助け合い 役割意識


 ミ:うーん。

 ユ:わかるような、わからないような、ですね。

勤労観っていうのは、要するに、社会は成り立たせるためには、働くことが必要だと教えるわけです。

 レ:でも、要るのかって疑問をもっても仕方ない活動も沢山あるよな。

 ユ:異議を唱えられることは大事ですね。


 ミ:ところで、役割意識って何?

 ユ:その集団の中で、自分にはこんな役割がある、自分はこんな仕事で仲間の役にたっている、ってことです。

もっと極端に言うと、自分は役立たずじゃなくて、自分がいることにはこんな意味があるぞってことです。

 レ:なるほど。

 ミ:でもさ、何か仕事しないと学校やクラスにいちゃいけないの?そんなことないよね。

 レ:どんなに不器用でのろまでも、クラスの一員として認められないといけない。

 ユ:そうですね。何か係がなくても、その子は一生懸命クラスで過ごしたり勉強したりしているのです。それは学校に通う上で十分立派なことです。

 レ:学校で過ごすだけで、日々いっぱいいっぱい、懸命に生きている。そういう人にさらに係活動という”責任”を背負わすのは酷かもしれないな。

 ミ:他の事が気になって、係活動ついつい忘れちゃったりするよね。

 ユ:純粋にやりがいになっていれば意味はありますが、失敗が厳しく𠮟られるなど、係活動がプレッシャーに感じられたり、本来の授業や活動を妨げる状況になるとよくないですね。

 ミ:ノルマじゃなくて、プラスアルファでできたら褒められるでないと、働く気でないよね。


 ユ:それでは、ここまでお付き合いいただきありがとうございました。

 レ:次もぜひご覧ください。

 ミ:またね!

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