胸もお腹も満たされる、可愛い恋物語

最初は「ボウボウドリ」という鳥のお話かと思って読み始めました。
「ボウボウドリ」の正体が分かったとき、思わず「何これ可愛い!」と微笑んでしまいました。そのときにはもう、おっとさんの巧みな術にかかり、この物語に惹き込まれていたのですね。

物語は、三人称の店主視点で進んでいきます。
登場人物たちは「男の子」「女の子」と書かれ、名前も、外見などの具体的な描写もないのですが、会話だけでそれぞれのキャラクターが想像でき、物語の中でいきいきと動いているのが見えるようでした。

特に、多くを語らないのに読者をしあわせな気分にさせてくれる結末が好きです。

私も、スタバもサブウェイもない田舎に住んでいますが、そんな田舎町の片隅で、こんな甘酸っぱい物語が生まれているのかな、と想像すると、「田舎も悪くないなあ」と思えました。

出てくるメニューがあまりにも美味しそうだったので、思わずお店を検索してしまったのですが、本当にたくさんのメニューがあるんですね!
ドックだけでこんなに!
三重に旅行した際には、ぜひ訪れてみたいと思います。