第5話 夜野月 優なのですよっ②

「しっ!」


ふと、狐姫が優の唇に引いさな白い人差指を当てる。


「んごんっ!(お前がざわついてたんだろーが!)」


と、モゴモゴして黙る優。

あたりは、人通りも少しあるが...

狐姫は違う方向を見ている。


「あちらから...妾達を見ているものがいるぞ」


と、斜め後ろをギロりと睨む狐姫。

その視線を優は追うが...なにも見当たらない。


ばっ!と狐姫の人差指を振り払い

少し困った顔で優は話す


「なんもいねーじゃねぇーかよ?俺に触るな。」

「そんなことはない...アソコから...凄い摛(ち)を感じた...」


と額に汗をかく狐姫。

その様子は只事ではなさそうだ。


「まぁ?いねぇーんだから...気にすんじゃねーよ。ほら、帰るぞ。」


と、先々にすすみ始める優。

それに負け時と追いかける狐姫


「ふぃ...危なかったのですよ...。あの妖怪。私を見ていた。私の羅(オーラ)が見えていたのか?消していたはずだよ...。まぁいい。追ってみるのですっ!」


たぷんたぷん


と、大きな胸を揺らすセーラ服姿の少女が

優の後を追う。


…………………………………………………………………………………………


あれから20分ほど時間がたった

ここは、優の家(神社)の敷地内だ



「なぁ...狐姫?」

「ん?どないしたのだ優様。」


学校から

少し離れた林を抜けて...

小さな小道を通り...

大きな階段を登っている時だ


「ずっと何かが付けて来てないか?」


「ふむ。妾も薄々思っていたのだが..」


カサカサカサカサ


草(植木のようなもの)があの後ずっと付けている

が、あからさまに、動きが怪しいため

2人は気づかないフリをしていた。

が、しつこく付きまとってくるため、少し様子を見ていた。


で、この家の敷地内に

入ってきたのでそろそろ正体をバラしてやろう...そう考えている所だ。


「おい!」


後ろを振り返り優は草にはなしかける


ガサ!ピタ!

ドバドバ...


草は、まるで生き物かのように

動きをとめて、草の上から冷や汗がでている。


「お前だれだよ。俺の後を付けるなんて...」


「そうじゃ、妾の優様の後をつけるなど...お主何者なんだ」


「......」


草は...ガサガサと音を立てて

何かがずぽっとかおをだした。


「ふぅ...」


「「ひぇっ!」」


その姿をみて2人ともびっくりした。


「お前は...」


優は少し目を細くして...考え込んだ

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巫女さんと恋をしましょう 桜ノ 癒姫 @sakuranoyuki

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