西の海の魔女
槇村颯子
第1話 いつでも気持ちは20代
私だけは年は取らないと思っていた。
いつまでも気持ちは20代。しかし、体の方は正直だ。ついて欲しくないところに肉がつき、最近ではあれこれ言葉がでてこない。いくらなんでもそんな年じゃないのに、これはどういうこと⁉️ こんな年から脳は劣化するのか。
そういえば数年前から首が痛かったので、よる年波かと思いつつ外科医院を訪れたところ、思いもよらぬ診断結果だった。交通事故の後遺症で首が曲がっていると言われたのだ。椎間板もおかしいらしい。そうだ、私は昔、三重衝突の被害に二回もあっている。しかもどれも親切に、相手の身になり人身事故にしなかった。その時の診断では異常なしだったからだが、本当は後遺症があったのだ。この肩と腰の痛みは年のせいじゃない❗️ が、今更そんなことを言われても。
「どこの病院で診てもらったんです❓」と聞かれた。あんたの爺さんに見てもらったんだよと喉まで出かかったが、外ヅラのよい私は黙っておいた。爺さんはとうに呆けたし、今更どうなるものでもないと思ったからだ。そう言われてみれば、当時から患者も少なく言うこともかなり怪しかった。やはり、すいてる病院は要注意だ。あ〜、やっぱりあんたの爺さんのせいだと言えば良かった。
最近では腰の痛みの軽減に、ダイエットを試みている。少し痩せれば腰の負担もないかな〜と安易に思い、夏場はかなり痩せた。しかし、冬場の気温の低下で、体の方がまたもや脂肪を勝手に蓄え出した。冬眠でもするのならそれでも良かろうが、蓄える必要がどこにある。私は冬じゅうものを食べるのだ。今からこれでは、先が思いやられる。
若い頃は、食べても食べても太らなかったのに、今では空気を吸っても贅肉になっている気がする。時間とはなんと残酷なものか。
気持ちは若くても確実に年はとる。こればかりは生きている限り例外はない。せめてキレイに年を取りたいものである。
西の海の魔女 槇村颯子 @nana17red
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