別の地

@Kinokodayo

登校

中学生になったばかりのある夏…

僕は引っ越した。

引っ越しは慣れていたが、やはり不安だ

見慣れない風景に聞き慣れない言葉

同じ日本だと言うのになぜこうも違うのか…

だが、僕は引っ越し先に少し好奇心を抱いていた

なぜなら、これからどのような事が起こり

どのような日常が送れるのかが楽しみで。

引っ越しも楽しみだったが学校も楽しみだった。

次の日初めての登校だった。

僕は母親と一緒に登校した。

学校に着くと先生が正門にいた、そして入ってくると周りがザワザワした

「あれ、転校生ちゃうん?」

「えー、まじでー?」

「どこから来たんだろう…」など聞こえた。

先生からの話を聞き教室に向かいました。

教室に入ると物凄い勢いで人が押し寄せて来ました。

「なぁどこから来たん?」

と聞かれたので

「福井から来ました」とぎこちない感じに答えました。

「これからよろしくな!」など言われとても嬉しかったです。

とても嬉しかったですが反面恐怖でもありました

自分は転校続きなので慣れてはいましたが

移動教室などで場所が分からず困っていました。

その時ある少年が声をかけてくれました。

「えーと…場所分かる?分からんのやったら一緒に行こーや」と…

この時その人に親近感を得ました。

そして最初は緊張のあまり時間が過ぎるのがとても早く感じ…

さぁ下校です。

「一緒に帰ろー」など言われましたが

先生と帰らなくてはなりません。

「家はどこや?」と言われ僕はここと指を指し

先生は頷きました。

「よし、帰ろうか」と言われ着いていきました。

そうすると見た事も無い道に出て

「ここどこや…僕の家はこんな所じゃありません」

と先生に言いました。

「んー、家分からんと帰れんからなー」と先生は答えました。

そうすると後ろから

「家分からんの?」と話しかけられ誰だろうと振り返ると同じクラスの子でした。

その子も一緒に家を探してくれました。

やっと見つかり

「おぉ、ここか。これからよろしくな」と言われとても嬉しくて泣きそうにまでなりました。

ここで初めて…「友達が欲しい」と思う様になりました。

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