黒い佐藤と白い会社

第1話エピローグ

社会人として適正がありますかと問われれば、俺は確実にノーと答える。

大学時代もギリギリの単位で乗り切り、遅刻は当たり前、お世辞にも素行が良い方ではなかった。

しかし、そんな俺でも就職は奇跡的にできた。

東証一部上場の大手IT企業だ。

友人が奨めてくれた企業に適当にエントリーしたところ、トントン拍子で受かってしまったのだ。

面接では持ち前の口先と嘘を発揮した。

世の中チョロいものだと思う。

俺より真面目に頑張ってる奴が、苦労して最終的に妥協する様を見るのはとても気持ちがよかった。

月日が流れるのは早いもので、そんな就職活動から3年がたった。

佐藤修司、２５歳独身彼女なし。

社会人３年目。

今日も仕事に精をだすふりをしている。