人生における災難を二つ同時に経験した主人公。そんな彼に不思議な旅行会社のスタッフが提案した旅行先は別府だった──
なぜ彼に別府を、油屋熊八を紹介したのか?
それは彼の不屈の精神とバイタリティに触れれば、些細な挫折など十分乗り越えられるものだと感じられるからなのでしょう。
Wikipediaによると、彼は別府の観光地としての発展のために私財を投げ打ち多額の負債があったため、没後には経営していた旅館やバス会社が売却されたそうです。
観光というのは、地域にとっては外貨を生み出すドル箱のような産業です。
天下の回りものを外から持ってくることができて、中が潤う。
今では当たり前になった考え方を彼は見通して、地域のために尽力したのでしょう。
主人公が別府で熊八の思いに触れたとき、どんな化学反応が生まれたのかが気になります。
「生きているだけで、丸もうけ」――。どこかで聞いたことがある言葉だったのですが、油屋熊八という方が仰った言葉だったのですね(へー、へー。トリビアの泉風)。
そして別府が有名になった理由では、その油屋熊八の奇想天外な方法が紹介されるのですが……この人、ものすごい行動力です。全身別府愛でできているのかというくらい。カクヨムでもこれくらいの行動力があれば、読者も飛躍的に伸びそうですね。
いや、無理ですけどね。
珍しい切り口の街コン参加作品で、読んでいて思わず笑みを浮かべます。(ミライちゃんも可愛いんだろうなぁ。どこの旅行代理店にいるんだろ)
そして、落ちもうまいっ! よっ座布団、千枚(⌒∇⌒)