後日談

『もしもし?』

「あ、もしもし!かけてくれたんだ!」

『うん!個展、来てくれてありがとね』

「いやー、すごかったよ。驚いた」

『お世辞でしょー?でもうれしい!』

「ほんとにすごいと思ったよ」

『ありがと。あ、でもさぁ』

「ん?」

『あの日、お休みじゃなかった?』

「え?」

『ギャラリー。水曜日は定休のはずなんだけど…

 商店街みんな閉まってたでしょ』

「そう、シャッターばっかりでびっくりしたよ」

『あはは、普段はそうでもないんだけど。

 他の日なら私、いたのに。会えなくて残念だったね』

「うん、本当に」

『お店の人いたんだ?たまに定休日でも開いてるから。

 男の人?女の人?』

「…えっと…、あれ?女の人、だったと思う…」

『じゃあ、髪の長い、メガネの?』

「…ん?長かった…かな?メガネは…どうだったかな?」

『あはは、記憶薄すぎるよー』

「うーん…なんかよく覚えてないなぁ…強いて言えば…

 …猫っぽい人だった気がするんだけど」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

水曜日 ねこみっく @copycat555

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ