第2話 来来来世…あれ?
結局、花が置いてあったことは特に深い意味はないだろうと判断された。ちなみに花は各自で処理するようにと言われた。花言葉は口が滑ってもいえるもんじゃない。
「でー、結局何も起こらずに体育なわけだが。」
今は体育の時間である。櫂が大嫌いな持久走のため、とんでもなく機嫌が悪い。
「せっかくなら地震位起こればいいのに~。」
大馬鹿野郎。不謹慎にも程があるぞ。
という念を入れて脛蹴り。
「いてぇ!こんのヤロウ」
「うるせ。」
準備体操も終わり、これから走り出す、というところで
「ん…なんだあれ。」
先生が空を見上げて呟いた。
釣られてその場にいた全員が上を見た。空には
「何あれ?真っ昼間なのに流れ星?」
流れ星、というか彗星?よくわからん。が流れていた。気が付くと、隣に櫂がいた。
「いやぁ。彗星もブームをよく知ってるなぁ。ニュースにもならず出てくるなんてなかなか洒落てるな(笑)宇宙にまで知れ渡ったか。君n((殴 グハァ」
はーい、こっから先は言っちゃだめですよー
「ひでぇな勇者。グーパンはありえん。」
「あり得る。俺がやったから。(笑)」
「目が笑ってないよ…。」
全く、あいつの頭の辞書には著作権というものがないのか。
「なあ、蓮。」
不意にクラスメートに声をかけられる。
「何?」
「これってさ…降ってくるパターンじゃねぇか?」
…はぁ。そうだこいつ、映画三回も観たんだっけ?
「ないないwww影響されすぎだよ。」
やれやれ。ブームとは恐ろしいものだ。なんかすごい呆れてきた。
と、思った瞬間
「おーい!お前ら!!出来る限り遠くへ逃げろ!」
「「「「…は???」」」」
これはまさか…
「3分前に避難指示が出ていた!!ここら辺を中心に最大半径13㎞は焼け野原だと!!」
MA☆JI☆KA
まじかよw死ぬかよwww
「先生!到達予測時刻はいつですか!?」
「3分後だ!!」
\(^o^)/オワタ
「6分で避難しろとかアホやないかwww」
面白いとでも言うような表情で櫂が立っていた。
「さぁ、勇者。賭けをしようか。」
何言ってんだこいつ。でもな…
「なんだよラスボ。最後くらい付き合ってやる」
「これからどうなるか。」
…は?
「これから何が起こると思う?」
「そりゃ勿論、死ぬんだろ?」
当たり前だ。それなのに櫂は笑っていた。
「あ、そう来るのね(笑)じゃ、単位関係なく10万賭けろよ」
「はぁ!?何言ってんの?いいよわかったよじゃあお前は何なんだよ!?」
櫂はまるで、待ってましたというような笑みを浮かべ、こう言い放った。
「異世界転生。」
結局こいつ、最後まで変わらないやつ。
まぁいっか。でも、もしそんな事になったら、何ていじってやろうかな。
轟音と光のなかで、
「櫂は最後まで変わらないんだねー。」
後ろを振り返ると
「あ、つけやと一般市民じゃん。逃げなかったの?」
「私たち足遅いし。面倒だから。」
何なんだよこいつら…。
「はーい!私、異世界転生に一票!」
一般市民までそう言い出した。
「私も、異世界転生に一票。そっちのが面白くなりそう!」
「げぇっ、つけやまで。死ぬの俺だけ?」
「じゃあ、死んだら30万あげるね~」
「死んだら金、つかえねぇよ!!ばーか!」
と、いっている間に彗星は近づいてきた。
櫂がそこにいる俺達の顔を見てこう言った。
「そいじゃ、異世界で会おうな。」
もしかしたら、あの世を異世界と称しただけなのかもしれない。でも、ただこの一言で、このあとが少し楽しみになった。
雪の雫と中学生 夢見夜 廻 @kaiyumemiya
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