第2話 星降る街

神戸は星降る街なのです。


人工島『ポートアイランド』から、夜、六甲連山を眺めればそれがよくわかるでしょう。


連山の黒いシルエットの上の濃紺の夜空に星ぼしはキラメキ、小さな光が降り落ちるのです。


アメリカに負けて悔しい若い船員が、8月15日の夜、紙の星条旗の小旗をマストからマストに繋いで、火をつけて燃やした。その時の星が天空高く舞い上がり六甲の山に振りそそいだというのです。


その日から、神戸は星降る街になったと言うのです。


振り落ちた星はどうなったと聞くのですか?

夜の谷川を光る小石となって転がり、海に注ぐのです。


どうして、星は絶えずに降るのかと聞くのですか?

ああ~、もう聞かないで下さい。

論より証拠、神戸に来て、『ポートアイランド』から六甲連山を見てください。

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『神戸メルヘン』 北風 嵐 @masaru2355

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