ふと、空を仰ぎ見れば

美織

あの空の景色に

 朝、さんさんと太陽が降り注ぐ夏の暑い日、私は近所の市民プールに来ていた


「あっつー。なんとかなんないんかな?この暑さ。まじ暑。」


 そのとき、ふと思うことがある。

 小学校の体育の時間やプールの時間に気にはならなかったのだろうか__


 そう。雲の流れだ


 雲はゆっくりと動いている。動きたくなさそうに、ただ、風に揺れ動いているようだ


 小学校の近くの田んぼに来た。ここではどうだろうか。比較的落ち着いている雰囲気だが、雲はせかせかと動いている。まるで、ここには自分の居場所がないような感じで


 歩いて神社へいく。近くに美味しいケーキやさんがあるのでそこで『桃の爆弾』を買う


 私の町は比較的ゆっくり揺れ動いている。もちろん、駅の方へいけば人はせかせかと動き回っているが、駅から少し離れたところにいくと「いなかぁー」と言う感じだ


 曽根の方にいくと、曽根干潟が広がっている


 神社につく。神社と言っても、『北城蛇神社』や、『君の名は。』のような神社ではなく、簡素で質素な神社だ


 雲はゆったりと流れている。休憩しているように、なだらかに


 境内へ上がる。質素だ。階段も長く足が疲れるが上りきったときの達成感はとてもある


 向こうには平尾台がある


 急な願望に襲われ、私は平尾台へと行った


 白い石が並んでいる。『まるで羊のようだ』とも思わせられる


 進んで行くと辺り一面緑の絨毯だった


「…………」


 あまりの光景に言葉がつまる。とても幻想的だ。この景色を叶うものなら独り占めしたいほどだ


 風にのって心が涼む。ふと、空を仰ぎ見れば、雲も絨毯みたいにふわふわしている


あっちには貫山がある


小さい頃の記憶を便りに山を上っていく


木漏れ日が眩しいほどに煌めいている


木に寄り添って上を見上げる


目を閉じ、深呼吸をする。肺のなかに新鮮な空気が入っていることを感じ息を吐く


下山中、普段見れない花などを鑑賞しつつ足元に気を付けながら下っていく


のんびりした穏やかな日を過ごしたあの1日



 心穏やかな気持ちのそばにはいつも雲があった……………気がするのである

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

ふと、空を仰ぎ見れば 美織 @days

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ