魔物、石や木にかりそめの生命が与えられ人々に害をなす邪悪な存在。
魔物を支配して世界征服を目論む魔王を倒すべく、勇者一行は旅を続けていた。
最終決戦、魔王と対峙したのは、黒髪で健康的な肢体に純白のビキニアーマーを纏った勇者、レイン・シュドーただ一人だった。
単身魔王に挑むレイン。しかし、魔王に告げられた真実。そして圧倒的実力差にレインは敗北を喫する。
そして目覚めた時、異変に気付いたレイン。そこには自分と寸分たがわぬ自分自身がいた。
時に神秘的に、時に禍々しくホラーテイストに増殖していく女勇者。
情報を共有し訓練、研鑽を積み重ね高みを目指すレイン。かつて自分を見限り離れていった他の勇者に何を思うのか。
仮面の下に表情だけでなくその真意すら隠している魔王。彼がレインを多彩な方法で増やしていく。彼の目指す世界征服の形とは。
そしてレインの目指す真の平和とは。
正邪、善と悪、それぞれの立場思惑がが混交し、世界が塗り替えられていく新たな世界。
一見コメディーに見えて、王道かつダークな雰囲気も漂う増殖系ファンタジーです。
役割分担し、細分化せずに同一人物が増えていく。それはあたかも昨今のネット世界で、情報が一気に拡散するさまにも似ています。
読み進めるにつれて、増えていくレインの行く手にあるのは真の平和か、それとも。
(……見渡すかぎりの、健康的な身体を包むビキニアーマー、観たい……(-_-).。o○0〇
『魔王』の軍団に立ち向かう勇者の一人だったレイン・シュドー。彼女はその超絶的な剣技で魔物を蹴散らすが……。
この小説の肝はやはり増殖し続ける女勇者というところにあるでしょう。話が進むごとにその数を増やし、中盤ではすでに2000人という数となり、一つの村をほぼ制圧しております(笑 しかし次の話では258000人また増えたっΣ(・□・;)
とまあ、増殖する女勇者ばかりに目がいきがちですが、復讐をテーマとした物語の出来も秀逸です。
敵だった魔王と組み、かつての仲間、そして人間たちへの彼女の怒りがぶちまけられる様は爽快感たっぷりっ。みんなレイン・シュドーになっちゃえばいいじゃんっ(笑
皆さまも本作を読んで有意義な時を過ごしてみませんか(⌒∇⌒)