御手杵の町 結城
あがつま ゆい
御手杵の町 結城
茨城県結城市。つい最近ではベルギー国王が天皇陛下と共に視察しに来た事もあるこの町と言えばそう。
え? 結城と言えば
というわけで、今回は御手杵にスポットライトを当てるという多分前代未聞の歴史紹介をしちゃいます。
【御手杵って何?】
さて、御手杵って何? とさっそく置いてきぼりを食らってる方も多いと思うので簡単に説明しましょう。御手杵とは
特徴的なのは穂先は刺突に向いた構造になっていて切り払ったり薙ぎ払うといった使い方には向いてない、突くことに特化した槍本来の使い方に近い所です。
(戦国時代に主に使われていた長槍は上からたたきつけるように振り下ろしていたそうです)
【巨大な槍】
現在は結城市にある結城蔵美館という施設(結城市内にある大町交番という交番の近くにあります)に常設展示されていますが、とにかくでかい! この一言に尽きます。一説には全長4メートル以上にもなる巨大な槍で、まさに「デカァァァァァいッ説明不要!!」と言わんばかりの巨大さです。
ただどちらかと言えば実戦で使うというよりは威厳を示すために作られたものとされています。何せ重量が20kgを超えており(当時一般的な長槍は重くても5~6kg程度)並の人間はもちろんの事、鍛えられた戦国武将であってもとても実戦で使える代物じゃあなかったそうです。
実際、戦で使われたという話はあまり聞かず(あったとしても信憑性が薄い)、代わりに参勤交代や陣の
加えてこの槍のかつての持ち主であった
【他の三名槍との比較】
御手杵は天下三名槍として有名ですが他の槍と比べると……という点は否定できません。
まず
また
そのため、特に武勲に関しては弱い部分もあるかなとは思います。この辺はどことなく武将としては極めて優秀ではあるもののその実力を発揮することなく生涯を終えたとされる結城 秀康とシンクロする部分があると思います。(もちろん、そんなこと言っても武器の中では十分すぎるほど雲の上のさらに上というレベルでしょうが)
【失われた槍】
そんな御手杵ですが残念なことに、現物は空襲で焼失してしまっています。
不幸にも保存していた蔵の中に湿気を吸うための木炭を敷いていたため、それが焼夷弾で熱せられて蔵の中が溶鉱炉のようになってしまい、復元不可能なほどの鉄くずと化してしまったんだとか。
現在では当時の資料を基にしたレプリカが3本作られていて群馬県前橋市、埼玉県東松山市、そして先述した茨城県結城市の結城蔵美館で展示されています。最近ではとあるゲームの影響か若い女性と思われる方の訪問がとても増えており、訪問したことを残せるノートも華やかなものになっています。
【結城においで】
以上、駆け足となりましたが御手杵にまつわるエピソードのご紹介でした。御手杵の町、結城。ぜひ一度お越しになってみてはいかがでしょうか? 電車ならJR宇都宮線(東北本線とも言う)の小山駅から水戸線に乗り換えて2駅で着けます。水戸線は本数が少ないので注意してください。上野東京ラインだと上野から直通で小山に行けるので便利ですよ。
ちなみに結城市内の和菓子屋には御手杵をモチーフにしたパフェまで売っているのでご興味のある方は行ってみてはいかがでしょうか?
御手杵の町 結城 あがつま ゆい @agatuma-yui
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