まさにブラックジョークですね。童話のヘンゼルとグレーテルを下地にして、軽く倫理観の壊れた兄と妹がむちゃくちゃすることで魔女と戦ったりするわけですが……その魔女が……
あとヘンゼルお兄ちゃんは縄抜けが得意です。マジックショーでも食べていけるんじゃないでしょうか。
シビアな事情を語ると、お菓子の家も無許可の建築物扱いにされるお国柄みたいです。森の中の雑然とした建築物を把握しているなんて、有能なのかなんなのかいまいちわからない国なんですが、ゆえに作風とマッチしてギャグに昇華されます。
文字数も少ないので、さらりと読める長さです。有名な童話が題材なので、みなさんも気楽に読めると思いますよ。
おっと、妹萌えをこじらせた私を差し置いて、こんな作品を書き上げるなど、隅に置けませんなァ! おおさ……否、おにいちゃんです!
3話構成。それぞれの、兄妹の形と遊び心溢れる童話パロディ。
捻り、捻った結末に、我々は、頬を緩ませるか、唇を歪ませるかすることでしょう。
私のお気に入りは、第2話。
だって、ミュミュがいるんだもん!
さあさあ! 甘いお菓子をご用意下さい。お供に珈琲や紅茶もいいでしょう。
サクッと菓子を口に含むかのような、軽快な文章と共に。
おにいちゃ……違った。
あなたの、ちょっとした時間を埋めてくれる、そんな物語です。