純情

初恋

　中学校に通い初めてすぐに、私はC子さんのことが気になり始めたのでした。

　彼女は容姿端麗で、凛とした風格を持っていましたが、その中に深い優しさを含んでいる人でありました。同じクラスの男子は皆、彼女に惚れただろうと思います。

　実際、C子さんが好きだと言う男子は多く、言わない者は高嶺の花だと割り切っている者がほとんどでした。

　内気で自信がなかった私は、周りにC子さんのことが好きだと言えず、恥ずかしさで以って、C子さんと目を合わせることができませんでした。C子さんが近くにいる時は、緊張で友達と話すことさえできなかったのです。

　それ位、私は彼女が好きでした。