「世界観」そのものを題材にした綺麗な物語

この世界の物理法則を、ベリタスという概念を用いた独特の世界観で説明していく物語です。

3人の登場人物の対話と心中描写で話が進んでいき、気が付くと主人公と一緒にベリタスの世界観に惹き込まれていきます。

比較対象として特殊相対論や標準模型のような既存の物理学の話題が出てきますが、文系の主人公目線で物語が進行するため、数式は一切出て来ないので数式が苦手な人でも安心です。いわゆる定量的なアプローチではなく、ベリタスという概念のシンプルな性質だけを使った定性的アプローチで多くの現象を統一的に説明しようとする点もおもしろいです。