見せてもらおうか……。『ひのとり』の力とやらを。
いきなりどこかで見たようなフレーズから始めて申し訳ない。
しかし、書かねば気が済まぬ。
そんなわたしの気が済まぬ話を今日は書きたい。
今をさること、9月21日。わたしは、ハルカス美術館のギュスタヴ・モロー展へ行ってきた(なんで『ど素人の~』にまだ書いてないのかというツッコミはご容赦いただきたい。なにせ、次の次のカラヴァッジョ展が楽しみすぎて)。
せっかく天王寺に来たのだから、いろいろ見て回りたいと思い、まさしくそれを実行していたそのとき、ちょっとそこ行きゃ出口のところで、ちょっと見慣れないものが目に飛び込んできた。
そう、それは電車のシート席。
電車のシート席って、あれですね。並んでいるとなんとも思いませんが、それだけ切り取られてぽつんと置かれると、なんとも間抜けに思えますね。
おお、視覚の不思議さよ。
しかし、間抜けを通り越して、ちょっと異様な風景がそこには展開されていた。だって、そのシートに座っている人、そして、並んでいる人がいたんだもん。
「どうぞ。よろしかったら、座ってみて下さい」
若くて綺麗なねーちゃんの誘いに、わたしは抗えなかった(こんとき、若くて格好いいにーちゃんだったら、わたしはどうしてたんだろう……?)。
ちなみに、ここにいたねーちゃんたち、大変ノリがよくて、超簡単なクイズを『このクイズ、本当に難しいんですけど、がんばって正解してください!』とにっこり微笑んでくれた。
そんなねーちゃんたちの魅力に参ったのか、行列に並ぶという魔力に打ち勝てなかったのか、てっちゃんでもないわたしは乗ってみた。正確には、座ってみた。
2020年3月14日デビューの『ひのとり』に。
一言で言うなら、よかった。
ものすごく、テンション上がった。
だって! 本当に凄いシートだったから‼‼
席を倒しても、後ろの人からクレームが出ないように、あらかじめ十分スペースをとられた座席間の距離。足の角度も、倒す角度も思いのまま。パソコン等も使いやすいよう、収納デスクも広々、各座席にコンセント付き。
おお、なんと快適な長距離移動! を実現した、すばらしいシートだったのである。さらにこの『ひのとり』、真っ赤なボディもさることながら、大型ロッカー完備など、いろいろ恰好いいポイント満載ではないか!
わたしが大阪~奈良間のこの特急を利用する機会はおそらく少ないだろうが、これ乗りたさに、わざわざ用事を作りたくなるような、すばらしい特急だったのである。もしこの特急に乗る機会があれば、ぜひ、(心の中で)呟いてみてほしい。
見せてもらおうか……。『ひのとり』の力とやらを。
日常のアンナコト 竜堂 嵐 @crown-age2016
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