――ああ。わたしはいま食事を”摂って”いる
いまの職場に勤めて、はや二年ちょい。
わたしのお昼はここ一年ほど、お弁当ではなく、外食になっている。来年の4月をめどに自転車通勤に切り替えて、またお家ごはんにしようか悩んでいる最中なのだが、それまではせいぜいおいしいご飯探しにいそしむ気満々である。今日はそんなわたしの、ちょっとした衝撃について書きたいと思う。それはずばり。
ハンバーガーって食事だったんだ……!
よく言いますよね、『マック(関西とフランスはマクド)は、ごはんじゃない』
わたしなんぞは、それこそお昼でも、夕食と夜食を兼ねても全然オッケーな人ですが、子供、特に小さいお子さんを持つお母さんたちが『ごはん』呼ばわりするには、ちょっと抵抗があるであろう、いわゆるジャンクフード。
が、わたしはこの日、初めて思った。
ハンバーガーって食事だったんだ……!
はい、もう一度。
ハンバーガーって食事だったんだ……!
ものすごくおいしいわけではなかった。
それは断言できる。
確かに、マクドやロッテリアより、もっと手作り感はある。パテはいかにもいま焼きました感がする。最後、自分でパンズを乗せて完成する辺り、余計に手作り感漂う。が、そんなことよりもそれを一口味わった瞬間、わたしにはアメリカの女子大学生、あるいは女性タイピストが書類片手にこのハンバーガーをかじっている光景がありありと浮かんできたのである。さらに想像は映画で見る男性の天才プログラマー、果ては明確に文章を覚えているわけではないが、小説版CLOCK TOWER(※)の『彼女も司法解剖の結果を読みながらランチを食べられるタイプだ』まで広がる。
ハンバーガーの発想はいわずもがな、サンドイッチであろう。が、サンドイッチがどこまでも軽食のイメージに対し、ハンバーガーには『これを食って、ヤツに挑む!』みたいな気がする。そう、ハンバーガーはつまるところ”カロリー”なのである。だからこそ、わたしはしみじみ思った。
ああ。わたしはいま、食事を”摂って”いる。
食事を”している”のではない。”摂って”いるのだ。その意味するとことはもちろん、カロリーを摂取している、に他ならない。
ハンバーガーは食事だ。
ただし、人と団欒するためではなく、仕事に挑むときにぴったりな、孤独なメニューなのである。
(※)20年ほど前に流行ったサバイバルホラー・アドベンチャーゲーム。主人公のジェニファーは体の弱い少女で、その設定を裏切らず、体力不足により逃げ切れずシザーマンに殺されるという、まるで禁じ手のようなゲームオーバーもありうる非常にリアリティ溢れる作りだった。ちなみに怖すぎて1は一度もプレイしたことはありません(そのくせ2はプレイした、この不思議さよ)。でも、シナリオはすごく面白かったよ! だからノベルスは全部読みました!
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