道で倒れた王様にけつまづいた娘に、その王様は恋をした。だけれど王様の求婚に、娘は言うのです。私に星を七つ持ってきてくださいと。恋のために星を探し、娘に届ける王様の愛の童話。素敵な読後感でした。
星を持ってきてください。王様がぜひ妃にと望んだ女性はこんなことをお願いしました。女性は目が見えません。王様が美しいと感動した星を感じたいのです。視覚で見ることができない彼女のために王様は悩みます。そもそもどうやって星を集めればいいのか。彼女のリクエストに応えるために王様は何度もチャレンジします。大好きな彼女のリクエストに応えたい。純真に星を探す王様と星を感じてみたい女性との優しい物語です。あなたならどうやって星を感じさせてあげますか?
誠実な王様が、貧しい盲目の女性になんとかして星を見せようとするお話。彼がどこまでも誠実なのが読んでいて好感が持てます。最後に7つの星を持ってきたとき、「あ!これは!」と思わず声に出てしまいました。子供の読み聞かせにもいいお話だなと感じました。
王様と、彼を助けた庶民の娘。王様は娘を妃にと望むが、娘は承諾しない。どうしてもと言えば、無理難題を突き付けられる……と、王道の展開ではあるのですが、描かれる風景や心理描写、言葉遣いがとても瑞々しく感じられました。一枚の絵画のような、整った魅力のある短篇です。