彼女が出て行って、彼女が好きで飼い始めた猫だけが家に残った。

僕は猫なんて飼いたくなかったのに、今は僕が世話をしなくてはならない。


そういえば彼女は猫のような人だった。

自由気ままで、好きな時に来て好きな時に帰っていく。

一緒に暮らし始めても彼女は自分のやりたいことばかり。

僕が付き合ってあげてる時はとても機嫌がいいけど、僕の付き合わないと部屋の隅でふてくされてた。

自分ひとりで楽しんでこればいいのにそれはしない。僕を振り回したいだけなのだ。


今回のことだって僕のことなんかお構い無し。一人で決めて出て行ってしまった。


でも彼女に似た猫が僕の膝の上に乗ってきた時、彼女がさみしがり屋だったことにやっと気がづいた。

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Marble Cherry Drops 咲良 潤 @ce1039

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