あなたの写真

あなたを私だけのものにしたくて私はカメラを始めた。

カメラの練習と称してあなたをたくさん撮影し、そんな私の時間にあなたは嫌な顔せずに協力してくれた。


あなたとずっと一緒にいたい。


だけどあなたはそんな私の思いも知らずにあっさり結婚を決めた。相手は私も知らない人。

あなたをずっと見ていたようで、あなたを全然知らなかったのかもしれない。


そしてあなたは結婚式の時のカメラマンを私に頼んできた。

あなたならともかく、ウェディングドレス姿の花婿さんを綺麗に撮る自信は私にはなかった。

それでもあなたはいい写真だと褒めてくれた。

なんという皮肉。


こうなったらこれからもあなたを撮り続けて、遺影も私の写真にしてもらうしかない。

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