レビュータイトルに”半神半人”と書きましたが、100%神様の座敷童です。八百ろずの神らしい優しく等身大のキャラ設定となっています。
衣装のお洒落とスウィーツが重要なファクターなので、最も感情移入する読者は、中高生から未婚成人までの女性じゃないかと思います。
星の数が2つなのは、私が初老男性だからです。
作者へ)
私も先のレビュワー岩井喬さんと同じ感想を抱きました。
追加で助言するなら、”座敷童さん”と”飴呑さん”が併記される箇所では、同一人物or別人に混乱しました。
また、宅急便システムだけがSFっぽいので、浮いた感じがします。発注から商品が届くまでの時間差が最初の掴みに必要だとは思うのですが、その後の物語が未来を想像すべき展開ではないので、ホンの少しだけ違和感を抱きました。
ところで、座敷童の郵便貯金口座に給金を振込む雇主は誰でしょう? 「国か?」とも途中で思いましたが、その辺の背景を軽く説明すると、設定に奥行が出てくると思います。
僕が真っ先にお受けした印象は『かわいらしい』ということです。繊細に描写された座敷童さんの姿や風景、屋内の描き込みが素晴らしい! それは単に『細かい』というわけではなく、くどくならないよう、しかし想像力を掻き立ててくれるという、実に見事なさじ加減ですね。擬音語・擬態語の使い方が、全体を通して実にコミカルで読者の心を掴んで離しません。
連作短編の形をとっているので、この作品中で描かれている一ヶ月半という時間をゆったりのんびり味わうことができるのも大きな魅力です。
ただ、これは『一人ひとり感想も感性も違うだろう』という前置きをした上で申し上げますが、中盤が割とルーティンに陥っているのでは、という感じを受けました。
ヒロインがおちょくって、座敷童さんが逃げる。1ページ1ページは大変微笑ましいのですが(そしてそのお陰でラストの心理描写に納得がいくわけですが)、もう少し二人の関係性の変化、みたいなものが『明確に』あってもいいのかな、と思いました。せっかくヒロインは『男性嫌い』という設定なのですから、そんな一種の『足枷』が外れていく、ということはもう少し順を追って、大胆に描いてみてもよかったかもしれません。
一つの案に過ぎませんが、各話ごとにサブタイトルをつける、というのはいかがでしょう。
短絡的な考えで恐縮ですが、それだけで『あ、このページでは二人の関係はどうなるのかな』など、読者をより引きつけやすくなるでしょうし、あんみつさんご自身も『もう少しこのエピソードの特色を出してみようか?』などという考えが思い浮かばれるかもしれません。
『ここをしっかり直してみては?』というより『ここをもっともっと良くしてみては?』という感じですね。
今回は《誰かに校閲・しっかりとした感想をもらいたい人向けコンテスト》がきっかけで出会ったお話でしたので★★になっておりますが、内心は★★★です(笑)
上から目線&長文、失礼いたしました。
『ちあき堂書店5』のおすすめ作品ということで読み始めました。
可愛いよ、可愛すぎるよ、座敷童さん…(*´ω`*)
ちょっと複雑な家庭の事情を抱えて一軒家に一人暮らしを始めた少女(後に名前が判明します)だが、その家には見目麗しい座敷童が住んでいて…。
男嫌いだけど天然でスケコマシ…もとい座敷童コマシな主人公が発する褒め言葉の破壊力に、女装癖のある乙女な座敷童さんが毎回赤面して逃亡するというパターンで各話が進んでいきます。
毎回座敷童さんがノックダウンされるというオチは、もはや水戸黄門や遠山の金さんを彷彿とさせる様式美。
むしろそのオチがない回では消化不良を覚えるほどです。
でもちゃんとお話は進みます。
二人の気持ちが溶けあい始めてからのこの様式美は最強の破壊力。
読者も二人の甘々光線に、座敷童さんばりのノックアウトをくらうこと請け合いです!