ゴーストラブ

@Marinrin

第1話

恋というのにも100人がいれば100通りの恋がある。その中には、この世の中ではありえない人と恋に落ちた経験がある人もいるのではないか?この話は僕が経験した数日間の奇妙で切ない話である。


俺の名前は中川春。高校2年の17歳。毎日学校と家の往復という何も変わらない平凡な高校生活を送る学生だ。今日もつまらない学校が終わり家に帰ろうとしていると友達の結城に声をかけられた。

「なぁハルお前今日暇だろ?この町にあるでっかい洋館に行ってみねぇか?」この町にはとても大きな洋館が数百年前から建っている。誰も住んでいないらしく中庭などは手つかずの状態。そうしたことからこの町の有名な心霊スポットとして知られている。時折立ち寄ると中から声が聞こえるとの噂だ。

「何で俺なんだよ...彼女でもさそえよ」

「いやいや女の子連れては怖いところなんか行けねぇよ。なっハル頼む」

怖いところが苦手な俺にとっては嫌だったが仕方なく行くこととなってしまった。

学校から洋館は非常に近いこともあり学校帰りに立ち寄ることも考えたが

「雰囲気が大事だ」なんてこと言い出したことから夕暮れ時に行くこととなってしまった。

心霊スポットであるためかあたりは物音ひとつしない静かな場所にその洋館は建っている。

すると結城は怖気づいたのか突然

「ハルやっぱりお前一人で行ってこいよ。俺は外で待ってるから...」とか言い出した。

「お前ふざけるなよ...言い出したのは結城お前だろ!」

言い争ってもどうしようもなく結局俺一人中に入ることとなってしまった。中庭は噂通り手つかずで、草は生えきっていた。外は暗く完全には識別できないが所々建物にヒビが入ったりしていた。夜も遅いし早く帰りたい俺は震えながらも恐る恐る中へ入った。

中はとても広く、まるで明治時代の西洋の文化を取り入れた綺麗な造りとなっていた。外は真っ暗。中もほとんど見えないながらも奥に進んで行くと遠くかすかではあるが白い姿が目に映ってきた。俺はその物体が何であるのか全く見当がつかないのにもかかわらずその物体めがけて歩いて行った。やはり古い洋館なのか床はギシギシ音を立てる。さらに奥を進んで行くと白い姿がややはっきりしてくる。さらに近づいた時俺はおもわず声を出してしまった。

「ヒトだ...」

そこに横たわっていたのは白い布をまとった髪の長い女性だった。体は細くとても今の時代の人間ではない空気感で包まれていた。思いがけない状況に立ち尽くしていると彼女が目を覚まし声を発した

「あなた、誰?...」

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