不思議な世界観「隣の女の子は緑色」
父が読んでいた小説から一つご紹介します。
これは、なんとも不思議な気持ちになれる作品で、ラストがまた素晴らしい。
少しおかしく、だけど切ない物語でしたね。
この小説は、主人公の僕が保育園に入園したところから始まります。
これは、主人公の人生を書いた物語なのです。
あらすじはこんな感じです。
「保育園の入園式で、僕の隣に並んだ女の子は緑色だった。自分と異なる存在……だけど、あまりにもピュアな年齢だったために、僕はその女の子と友達になり、思い出を作って行く。その女の子はやがて彼女となり、人生のパートナーへとなっていくのでした。そして、僕の人生が終わる頃、僕が最後に見たものとは?」
なんとも坦々としたストーリーですが、それを読ませる文章力はなかなかのものですね。ただ、山場というものが無いせいか、途中で飽きられる可能性もあります。女の子とのやり取りが凄く和み、癒されました。どうして女の子は緑色なのか?作中、あまりそれに触れられる事はないのですが、ラストで「え?!そうなの?!」という驚きがありましたね。
女の子のために尽くしている僕だと思われていたのですが、救われているのは僕の方だったのです。どうしてか?それは……
以下、長い空白のあとにネタバレです。
その世界は、緑色の人間が繁栄する世界だった。
そう、異常な色をしていたのは僕の方だったのです。
その真実は、僕が死ぬ直前に明かされます。それを知ってから作品を読み返すと……また違った印象を受けるのです。
そういえば、ほとんど書かれているのは女の子の事ばかりで、周りの人間については一切触れられていませんでしたね。叙述トリック……まんまと騙されました。
この小説を読み終えた父はこの作品をどう感じたんでしょうね。
まぁ、もうこの世にいないので、聞く事はできないですけど……
即興で考えた存在しない作品を紹介してみる。 ねこがめ @nekogame
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