僕とあなたと。私とあなたと。

ぺこまる

第1話 僕はあなたと。

例年に比べだんだんと、暖かくなるのが遅く感じるように思える。

今の気温は20℃もないだろう。4月というのにこの寒さは体に堪える。

そんな肌寒いなかでも僕の気持ちは冷めることは無いだろう。


僕には同じ地域、同じ小学校、同じ中学校、同じ高校。と、いままで同じ道を歩んできた女性がいる。

クラスが違う事は何度もあった。でも、ちょっとした休み時間に廊下で話したりするし、僕が思うに結構気が合う仲なのだ。

この事はあの人も同じ事を思ってくれているはず。......そうであって欲しい。


僕はいま高校3年生。高校生活で最後の一年。通っているのは普通高校だから、進学する予定になっている。

進学の事であの女性とは話した事がない。

なぜなら僕がその話題を出したくないからだ。理由もちゃんとある。その女性とただ単におしゃべりをしてる時間がとても楽しいからだ。その女性と話してる時は、僕とその女性だけの世界になった気分になれる。


「いつまでもその時間が続いてくれたら...」


二人だけの世界でいつまでも、いつまでもおしゃべりをしていたい。

だけど、それは神様に願っても叶わない。

少しおしゃべりしてると直ぐに授業のチャイムがなってしまう。まるで二人を引き裂くかのように鳴るチャイム。


「いっそのこと学校を抜け出して、ずっとおしゃべりしていたい。傍にいるだけでもいい。」


まぁ、当然のごとく進学校であるためそんな事をしたらもうおしまいだ。あの女性にまで迷惑がかかる。


僕には時間がない。あと1年しかあの女性と一緒に居られない。高校を卒業してしまったら会うのはとても難しくなる。この国にある大学はとても多い。同じ大学に入学するとは限らない。例え同じ大学に行けたとしても、話せる機会なんてないのかも知れない。


だから、僕は世界がどうなろうと伝えなくちゃいけないことある。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

僕とあなたと。私とあなたと。 ぺこまる @peko

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

フォローしてこの作品の続きを読もう

この小説のおすすめレビューを見る