第3話、女子高生と悪魔と

女:女子高生

お:おじさん

悪:悪魔

謎:謎の少年

仮:仮面ライダー

警:警察(おじさん役の人がやる)



お「すまない、お嬢さん、この辺りで黒い人型の空飛ぶものを見なかったかい?」

女「なんですか? それは? そんな奇妙なもの私は見たことありませんよ?」

お「そうかい? とりあえずそれは危険なものだから近寄っちゃいけないよ?」

女「あら、でも、お生憎様おあいにくさま。私はあなたのようなおじさんにそんなこと注意されるほど子供じゃありませんの」


お「あのお嬢さんからは悪魔の匂いがするんだけどねぇ……」


女「(悪魔の名前)、あのおじさん、ついてきてない?」

悪「あぁ、いないよ」

女「全くなんでバレたのかしら?」

悪「そりゃ、まぁ、いろいろやってるからだろ」

女「私はそんな派手なことしてないじゃない」

悪「同級生の下着持っていったり、教頭のズラを持っていたりしたくらいだもんな」

女「べーだっ!代償にリンゴあげたでしょ!」

悪「あぁ、うん、まぁ、美味かったよ」


謎「ねぇ、あそこ、何か見えない?」

仮「わかんないや。ちょっと待って、マスクかぶらないと見えない」

謎「肉眼では見えないっていうことは霊的なものだな」

仮「(謎の少年の名前)さん、どうしますか?」

謎「あの女子高生が危ないだろう、助けにいくぞ」

仮「はい」


謎「お姉さん、お姉さん、肩の付近に何かいませんか?」

女「(prrrrprrrr……)すみません、警察でしょうか?はい。今、目の前に妙な仮面を被った人に話しかけられているんですが。はい。お願いします」

仮「え? ちょ? え? 待って! 待って!」

女「きゃー、変質者ー」


仮「(謎の少年)さん、僕、変質者なんですか?」

謎「仮面外しなよ。そこにはきっと普通の人がいる」


警「すみません、そこのお二人さん、お話しちょっとよろしいですか?」


謎&仮「ギャーッ!」


女「あははは。バーカ、バーカ。ねぇ、(悪魔の名前)? リンゴあげるから何かいたずらしてきてよ」

悪「……はいはい。行ってくるよ、(女子高生の名前)」


仮「くそ……なんでこんなに石ころが転がってるんですか!」

謎「悪魔が置いていくからだろ」

仮「それにしたってなんで僕の方ばかりーっ!」

謎「俺は少し見えるから小石を踏むような位置に配置できないからだろ」

仮「ちくしょーっ!」

謎「マスク被れば見えるだろうが」

仮「あ、そうですね」


仮「おっしゃーっ! この悪魔野郎め! 仕返ししてやる!」

悪「? このマスクに何かあるのか?」

謎「(仮面ライダーっぽい名前)! やれ!」

悪「あちゃちゃ、調子に乗りすぎたかな」

仮「はぁーっ!」

悪「そんな方法で俺が捕まるとでも思ってるのかな?」

お「いやー。助かった、助かった」

悪「お前……さっきの」

お「そこの悪魔くん、もう逃げられないよ」

悪「は? 何言ってんだ?」

お「おやおや、まだ気づかないのかい?」

悪「……なんだと……力が……」

お「結界で区切らせてもらったからね」

仮「おい! おじさん! こいつは僕の獲物だ!」

お「おじさんは別に悪魔がいなくなればいいからご自由にどうぞ」

仮「そ、そう! じゃあ、遠慮なく!」

悪「力がちょっと制限されたくらいで優位になれるとでも思ったのか?」

仮「はぁ!」

悪「はーい、力みすぎー。動線丸見え。どこ狙ってますとかバレバレー」

お「ほら、仮面の兄さんや、しっかりしっかり」

謎「ほい、コレやるからさっさとケリつけろよ」

仮「ありがと、この……じゃあ、これでどうだ!」

悪「範囲を広げたか。いい手だな。しかしそのくらいじゃ追い詰めるのはムリなんだな。これが」

謎「あぁ、もう、なっちゃねぇなぁ」

お「そういうなって。頑張ってるんだからさぁ」

謎「いやね。そうはいってももう少し頑張ってくれよなぁ」

お「ほらほら、いい感じに追い詰められそうじゃないか?」

謎「あー、ほら、逃げられたー」

仮「逃げてんじゃねぇよ!この悪魔野郎が!」

悪「いや、俺、別に戦う理由ないし。お、ほころび発見」

お「逃がさないよー」

悪「ち、わざとほころびみたいな物作ってやがったな」

お「さっきよりも大分狭くなってないかい?」

悪「あぁあ、これじゃあ戦うしかねぇじゃんかよっ!」


仮「(謎の少年)!」

悪「ほらこの少年の命が惜しけや、この結界を解きな」

謎「ふ。悪魔、お前の体もう動かないんじゃないか?」

悪「な……なんだと」

謎「即効性の痺れ。最終的にはその体を破壊し殺す」


お「おいおい。兄さん、毒使いかい」

謎「別に本業じゃない」

仮「と、とりあえず悪魔から引き離そうよ!」


女「ねぇ!(悪魔の名前)!」

お「嬢ちゃんや。もうそいつは手遅れだ」

女「(悪魔の名前)はリンゴしか食べないし、やることはいたずらしかしてないの。なんで!なんで!」

謎「(悪魔の名前)か……大物だな」

お「悪魔は代償を求める。その代償は頼んだことに比例する。願いが小さければそれこそリンゴでも叶えてくれる。しかしだ。(悪魔の名前)、そいつは狡賢い。小さな願い事を叶えていくことで憑りついた人をどんどんわがままにしていく。わがままの先は考えたことあるか?」

女「(悪魔の名前)はリンゴで応えられることしかしないって初めに決めたもん」

お「ふーん。そうかい。で、嬢ちゃんは何か頼んだかい?」

謎「下着とズラの泥棒」

女「なんで知ってるのよ!」

謎「俺は耳がいいんだ」

お「何してるんだい……嬢ちゃん」

女「いいじゃないっ!ちょっとした意地悪だもの!すぐ見つかる場所に置いといたし!」

お「いやぁね、嬢ちゃん、そういう問題じゃないと思うんだ……」


悪「下着は匂い(をかぐためじゃなかったか?)」

女「成敗」

仮「あ、とどめさした」

女「えぇ、これで大丈夫ですね」

お「それでいいのかい……嬢ちゃん」

女「大丈夫です」


悪「そうして証拠隠滅した女子高生は夕日の中へと消えてったのだった」















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セリフ枠用台本 甲戌 @kinoeinu

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