今時の女子高生の語り口調で進んでいくストーリーは、一見すると、話題が飛んで一貫性がなさそうな印象なのに最初から最後までひとつの主張のもと進んでいく。で、なるほど、というラスト。面白かった!
ある女子高生の「好き」の形。文章・テンポともに勢いがあって、とても面白かったです。わたしもラストまで勘違いしていた側ですが、改めて主人公の本心を考えながら読み返すと、少しやるせない気持ちになりました。
最初の一行から読者を釘付けにし、作品に吸い込ませていくような文章力!流れるような文体に身を任せていると気がついたらオチまで一直線なのですからもう大変です。舞城王太郎作品の疾走感を彷彿とさせるところも個人的には好き......。文章の方にばかり言及してしまいましたが、女子高生の独白からはじまるありふれた青春から加速していきオチに向かって落下していくジェットコースターのような構成も短編向きで◎
ラストでなんか泣きたくなった心に傷のあるピュアな男子には少々オススメできないけれど女子に激詰めされたいMっ気のある男子にはいいと思う!自分は悲しかったけど、少し興奮しました
おにぎりスタッバーの時から情報過多で饒舌なフローが楽しかったけど、読む話芸みたいな気持ち良さがすごい。主人公の奔流のようなキラキラした言葉のシャワーに流されてお疲れさまでしたってオチまで連れてかれる感じです。(あのキャラクターにとってもジェットコースターみたいな経験だったろうねきっと)